風の雑記帳

平凡でもかけがえのない毎日が過ぎていく。
風景や触れ合い、心の断片を切り貼りして綴ってみる。

生きざま

2009年06月03日 | 人、仲間
おっきいおんさぁまが亡くなった。
89歳の天寿を全うされての、安らかな最期だったとの事。
私も、一昨日、葬儀告別式に参列させていただいた。

おっきいおんさぁまに最後にお会いしたのは、父の葬儀の時だった。
何十年ぶりかで会い、歳をとられて背中が丸くなったその姿を、覚えている。

寡黙で、質素で、働き者。
時折、悪戯っぽく微笑む口元を覚えている。
浪曲と相撲が大好きだった。
おっきいおんさぁまご夫婦には子どもがなく、小さい時私が遊びに行くと部屋に招き入れおもちゃやお菓子をくれたっけ。

農業を引退後も、家の周りの手入れ冬は雪かきなど、朝早くから一生懸命働いたそうだ。
家の周りに留まらず、公道の草刈、空き缶拾いなど、人が見ていようがいまいが関係なく当然の仕事のようにこなされていたという。
ボランティアというよりは、まるで自分のあたりまえの仕事をしているかのように。
そんな功績が称えられ、市から感謝状を頂く事幾度か。


おんさぁまが亡くなり、何かを伝えるのに下手な言葉など要らないのだと分かった。
その生きざまが、その背中が、多くの人に確かなメッセージを残していた。
コメント
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