砂上の楼閣

たまに思いついたことを時々書いたり書かなかったり。
ジャンル未定の備忘録みたいなものです。

美術館の想い出

2006-05-04 01:11:50 | ブログ

 このひとつ前の記事「はらみちを美術館」では、書けなかった美術館での思い出話を。

もうだいぶ前のことである。

私が大学生の頃の切ない想い出だ・・・・

大阪に天王寺美術館というのがあります。

美術館の前には天王寺動物園があります。

大学の授業をさぼって美術館や動物園に行っておりました。

晴れた日より曇りの日が美術館には似合うと思う。

そして美術館に行く時は、時間に縛られず、ぶらっと立ち寄るのがいい。

その日、私は美術館を後にして動物園に向かっていた。

美術館を出るとすぐに大きな階段があり、それを下ると動物園へと続く。

午後の気怠い時間帯だった。

何段ほどあるだろうか?

階段の途中に踊り場があり、踊り場の端っこに電話ボックスがぽつんとある。

平日の午後というのは人通りが少ないものだ。

私はその階段を下り始めた。

運命という言葉がこの世にあることをその時知った。

階段を上がってくる人がいる。

そして、お互いあと数歩で踊り場ですれ違うであろうというところで、その人の言葉を聞いた。

切ない言葉だった。

「警察呼ぶんやったら呼んでこい~」と言いながら、その人はドスを抜いた。

横には電話ボックスがある。

恐らく電話ボックスに入ればブスブス刺されそう・・・

目を合わさず、何も気づいていない振りをして通り過ぎた。

そのまま普通の速度で階段を下りていく。

走ってはいけない。

逃げれば追うのが野生の本能だ!ましてやびびって足がいうことをきかないに違いない。

アル中かシャブ中かは知らないが、美術館帰りの私をシュールな世界に放り込んでくれた・・・・・  感謝しても感謝しきれないぐらいだ。

これを書いていると、動物園でのエキサイティングな出来事を思い出してしまったが、それはまた別の機会に。

コメント
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