昭和56年に亡くなった父が「近頃は本当の貧乏人がいない。次の日の朝食う米の
無い奴が本当の貧乏人だが、そんな奴は探さなきゃいない。生活苦で餓死したという
新聞記事が出るが、珍しいから新聞に載るんだ」と言っていました。
ディズニーランドに行っても人はいっぱい、今年のゴールデンウィークは海外旅行に行く
人数が過去最高になるかも等々が言われているのに新聞紙面、テレビの情報番組では
就職氷河期、不景気、デフレ、経済は中国に抜かれた、の文字が飛び交っています。
日本の人口が減りビジネスチャンスが海外に移ったならそれを視野に入れて動くのは
当然です。でも我々地元で生まれ育った商店主達はそれも出来ない、だから将来が
無いというのはあまりにも途中を省略した、短絡的過ぎ、間違った論理です。
昔、大手スーパーと地元商店を、狩猟民族と農耕民族に例えた話が有りました。狩猟
民族の大手量販店は餌を追ってこの地に来たが獲り尽くすと次の土地に行ってしまう。
我々地元商店会は農耕民族だから土地を離れる訳にはいかない、という分かりやすい、
でもしっかり解説しないと間違った理解に進む例え話です。
この例え話の解説は次の機会にしますが、このように現状を明確にそして正確に理解
せずに圧倒的大多数を占める中小零細商業層の舵取りをするのは将来に大きな禍根を
残すと思いますし、若者に自己実現の場として、そして仕事の選択肢としての地域商業を
提供する機会を失うと思っています。いまこそ地域商業はグローバルな視点を持って
生まれ変わる時期、生まれ変われるチャンスです。