![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/76/d7/42ada3f2056e6c21bce8567b2e20dbbd.jpg)
制作されてから27年後の1996年にやっと劇場公開なった作品『ケス』(ケン・ローチ監督、1969年)を、
当時、待ちに待った思いでミニシアターまで駆けつけた。
しかし、この作品はカラー映画なのに、記憶の中ではどうしてもモノクロのイメージが強い。
と言うことは、それ以前にテレビ放映されているから、その時に観ていてそれが記憶が残ったままだろうか。
そこのところがよくわからないが、この映画自体の印象は今でも鮮明である。
イギリス、ヨークシャー地方の炭鉱がある町。
母と兄の三人暮らしの少年ビリー・キャスパーは、中学卒業を間近に控えている。
家も貧しく、学校に行く前には新聞配達をしている。炭坑労働者の兄とも年が離れている。
その兄は自分のことが精いっぱいで、ビリーに愛情のかけらも持っていない。
ある朝ビリーは、森の中に一部だけが残っている廃墟の、高い石壁にハヤブサの巣を見つける。
そして、ヒナを育てて訓練したいと、本屋から「タカの訓練法」の本をこっそり盗む。
熱心にその本を読んだビリーは、とうとう巣から一羽のヒナを手にして・・・・
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/66/fbaf70f842d10660e784ad3c50d7c09e.jpg)
体格が小柄で貧弱なビリーは、勉強が好きでなく運動も苦手。要は劣等生。
その彼が、ハヤブサのヒナを育てて、自分の思うように飛ばせてみたいと、そのことに熱中する。
一人の少年が、ひとつの事に熱中し、鳥と交流しながら愛情を捧ぐその姿。
教室のホームルームで、「何か自分のことを話しなさい」と言われ、
グズグズしていたビリーが、徐々にハヤブサのことを話し始め、ついには夢中になって話すその口調。
その思いに先生やクラスメートも、遂には一言も聞き逃さないように引き込まれる。
そんなビリーに、思わず、何ともいえない深い感動を覚えられずにはいられない。
この作品は、少年と鳥との交流の単なる成長物語ではない。
直接的には描かないが、そこでは、弱者が生きていく社会背景が隠し絵のようにしてあぶり出される。
そして、鋭く冷静に描くその内容は、あたかもドキュメンタリーのようである。
寒い運動場でのサッカー。その時の教師の身勝手さ。
また、違反をしたと言って、生徒の言い分を一切聞かず罰を加える校長。なんの罪もない哀れな優秀生徒。
それを弾劾するのではなく、ユーモアさえ漂わせて客観的に描く。
ラスト、兄の約束を破ったビリーに悲劇が襲う。
そのビリーの悲しみが痛々しい。
映画は、社会の底辺にへばり付く労働者階級の貧困も含めて、その社会そのものを静かに告発する。
当時、待ちに待った思いでミニシアターまで駆けつけた。
しかし、この作品はカラー映画なのに、記憶の中ではどうしてもモノクロのイメージが強い。
と言うことは、それ以前にテレビ放映されているから、その時に観ていてそれが記憶が残ったままだろうか。
そこのところがよくわからないが、この映画自体の印象は今でも鮮明である。
イギリス、ヨークシャー地方の炭鉱がある町。
母と兄の三人暮らしの少年ビリー・キャスパーは、中学卒業を間近に控えている。
家も貧しく、学校に行く前には新聞配達をしている。炭坑労働者の兄とも年が離れている。
その兄は自分のことが精いっぱいで、ビリーに愛情のかけらも持っていない。
ある朝ビリーは、森の中に一部だけが残っている廃墟の、高い石壁にハヤブサの巣を見つける。
そして、ヒナを育てて訓練したいと、本屋から「タカの訓練法」の本をこっそり盗む。
熱心にその本を読んだビリーは、とうとう巣から一羽のヒナを手にして・・・・
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/66/fbaf70f842d10660e784ad3c50d7c09e.jpg)
体格が小柄で貧弱なビリーは、勉強が好きでなく運動も苦手。要は劣等生。
その彼が、ハヤブサのヒナを育てて、自分の思うように飛ばせてみたいと、そのことに熱中する。
一人の少年が、ひとつの事に熱中し、鳥と交流しながら愛情を捧ぐその姿。
教室のホームルームで、「何か自分のことを話しなさい」と言われ、
グズグズしていたビリーが、徐々にハヤブサのことを話し始め、ついには夢中になって話すその口調。
その思いに先生やクラスメートも、遂には一言も聞き逃さないように引き込まれる。
そんなビリーに、思わず、何ともいえない深い感動を覚えられずにはいられない。
この作品は、少年と鳥との交流の単なる成長物語ではない。
直接的には描かないが、そこでは、弱者が生きていく社会背景が隠し絵のようにしてあぶり出される。
そして、鋭く冷静に描くその内容は、あたかもドキュメンタリーのようである。
寒い運動場でのサッカー。その時の教師の身勝手さ。
また、違反をしたと言って、生徒の言い分を一切聞かず罰を加える校長。なんの罪もない哀れな優秀生徒。
それを弾劾するのではなく、ユーモアさえ漂わせて客観的に描く。
ラスト、兄の約束を破ったビリーに悲劇が襲う。
そのビリーの悲しみが痛々しい。
映画は、社会の底辺にへばり付く労働者階級の貧困も含めて、その社会そのものを静かに告発する。
わぁ~これは是非見たい!
あるかな~それが心配。
前回の作品「情婦マノン」も探しましたが無かったし・・・
この次、借りに行く時は探してみます。
しっかりメモして!
これ以後、このケン・ローチ監督の作品を探しては観たりしました。
とっても信頼できる監督で、いい作品がいっぱいあります。
と、大きなことを言っても最近の2,3本が未見のままになっていて、いずれ観るつもりです。
もし、この作品がなかったら「麦の穂をゆらす風」はどうでしょう。
これなら、どこのレンタル店でもあるはずですよ。
私も同じことをやってしまいました。