冬枯れのすすきが揺れる丘の道
図書館に返す書籍に春を見る
友の影見えぬ師走の忙しさ
新しき手帳に記す春の夢
ただ一人小春日和に行く人よ
クローバー霜に負けずに生き生きと
猫柳荒地師走に頭を高く
咲き誇り今は枯葉となりにけり
幼子と語らう日々に幸多し
幸せを知ることもなく死に行く子
不幸とは何のことかと問う子らよ
しんしんと年越しの夜寝静まり
年明けに洗濯を干す晴れ間かな
冬晴れのトンネル抜けて白い雲
父が逝き母も逝きまた兄も逝く
ただ一人地球に立って過去を向く
オレンジの街灯続く下り坂
声枯れて痰で咳き込む異国の地