『そぞろ歩き韓国』から『四季折々』に 

東京近郊を散歩した折々の写真とたまに俳句。

読書感想235  リヴァイアサン号殺人事件

2018-06-13 01:39:43 | 小説(海外)

 リヴァイアサン号殺人事件/ボリス・アクーニン/沼野恭子 

読書感想235  リヴァイアサン号殺人事件

著者      ボリス・アクーニン

生年      1956年

居住地     モスクワ

出版年     1998年

邦訳出版年   2007年

邦訳出版社   (株)岩波書店

訳者      沼野恭子

 

☆☆感想☆☆

本書は「ファンドーリンの捜査ファイル」シリーズの第3作目にあたる。事件はパリのリトルビー卿の屋敷で起きた。英国のインド・コレクションを持つリトルビー卿が殺害され、さらに使用人7人とその子供2人が殺害された。インド・コレクションの中の黄金のシヴァ像と模様入りのインドのスカーフが盗まれた。黄金のシヴァ像はパリの川の中で発見された。捜査はゴーシュ警部に一任された。そこでゴーシュ警部は豪華客船リヴァイアサン号に乗り込んだ。リヴァイアサン号初航海を記念して一等船客と上級航海士にクジラの金のバッジが配られたが、その一つが死んだリトルビー卿の手の中に残されていたのだ。この客船はイギリスのサウサンプトン発カルカッタ行き。ゴーシュ警部はクジラの金のバッチのパーティーでの着用が義務になっている船内で、着用していない乗船客の中に犯人がいると見込みをつけ、定員10人のテーブルのサロンに彼らを集めカルカッタまでの船旅を共にすることにした。乗船客の中でバッチのないのは4人、うち、2人は女性。怪しい乗船客の一人目は、サー・レジナルド・ミルフォード=ストークス。28歳ぐらいだが挙動不審。二人目はムッシュ・ギンタロー・アオノ。「帝国軍将校」とどぎまぎして答える。一人目の女はマダム・レナーテ・クレーバー。20歳ぐらいでのおしゃべりで身重だと触れ回っている。もう一人の女はあまり若くないイギリス人のミス・クラリッサ・スタンプ。物静かだがときおり怪しい影が目によぎる。サロンには席が余っているので、船医長のムッシュ・トルッフォとその妻のマダム・トルッフォ、さらにインド考古学者のアンソニー・F・スィートチャイルド。そしてスエズ運河の北端の町ポート・サイドから乗船したのが、エラスト・P・ファンドーリン。ロシアの外交官でコンスタンチノープルから到着し、赴任地の日本に行く予定だという。殺人事件のあった時期にフランスに滞在していた。一等航海士のシャルル・レニエがサロンの食卓の長を務める。

 それぞれの乗客の正体があきらかになり、パリの殺人事件の動機も手口も明らかになっていく。船上でも殺人事件が起きる。手に汗を握る展開で最後まであきさせない。

 
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