『そぞろ歩き韓国』から『四季折々』に 

東京近郊を散歩した折々の写真とたまに俳句。

読書感想308  昏き目の暗殺者(上)(下)

2022-02-22 23:23:45 | 小説(海外)

昏き目の暗殺者 上

読書感想308  昏き目の暗殺者(上)(下)

著者    :    マーガレット・アトウッド

生年    :    1939年

出身地   :    カナダ

出版年   :    2000年

邦訳出版年 :    2002年

出版社   :    (株)早川書房

訳者    :    鴻巣友季子

受賞    :    ブッカ―賞   ダシール・ハメット賞

★★感想☆☆☆

「訳者あとがき」の中で著者のマーガレット・アトウッドは「カナダ文学の女神」と呼ばれているとある。カナダ文学も「赤毛のアン」シリーズのモンゴメリーの作品しか読んだことがなく、本作が現代のカナダ文学に接する初めての機会となった。重厚で読み応えのある作品だった。カナダのトロントに近い町で19世紀に釦工場を創業した一族の栄枯盛衰と。孫娘アイリスの追憶と日常の身辺雑記を一人称で追いながら、もう一人の孫娘ローラの小説「昏い目の暗殺者」を挟んでいく構成になっている。時代は二つの世界大戦と大恐慌を経て第二次世界大戦後20世紀の終わりまで続いていく。要所要所の新聞記事でアイリスやローラの動静を知ることになる。また「昏き目の暗殺者」の中で密会中の男女が語るSFファンタジーがある。入れ子細工のように物語がいくつも重なっている。いくつも伏線が張られていて、最後になって「昏き目の暗殺者」が誰で謎の男女が誰なのかわかるようになっている。

重要な登場人物は次のようである。

アイリス=私 83歳まで生きる。

ローラ 妹  1945年に25歳で交通事故で亡くなる。

ノーヴァル 父 大恐慌時代に鉛工場を失って亡くなる。

リリアナ  母 流産で亡くなる。

リーニ―  アイリスの家のお手伝いさん。アイリスとローラを育ててくれる。

マイエラ  リーニ―の娘。

リチャード 大工場主でアイリスの夫。1947年に亡くなる。

アレックス 共産主義者 第二次世界大戦で戦死。

エイミー  アイリスとリチャードの娘。38歳でなくなる。


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