「帆」第36号 佐藤よしみ 2024.2
独自の歩みを続ける佐藤よしみの「帆」36号。
ちちははの世代はとうに過ぎており訃報はおのが世代に至る
一葉の写真たりとも残すまじ言い残したる友の明け暮れ
口コミの影響受けて選ぶ店久しぶりなる飲み会に行く
今度いつ会えるのやらと言いながらほんとうはあまり興味なきこと
短歌「たそがれ」より。
同世代ゆえの共感。
2首目。人にはふたとおりあるようだ。
生きた証を残したい人。形跡ともども消したい人。
私は前者だが、後者に憧れる。
「琉歌(うた)の見える場所(25)
佐藤よしみのライフワークであるこの連載エッセイを通してしか
知ることのできない沖縄が私にはある気がする。
先週の土曜日、わが短歌教室の仲間から「先生これ来てます?」と
「帆」36号を見せられた。
「萩谷さんは立派な歌人だと勘違いされてるんだよ」と言っておいた。