朝日新聞夕刊に、暮らしうるおう「江戸しぐさ」と言ふコラムがある。
今夜は「指切りげんまん、うそついたら針千本飲ます!」。と約束事の後に言った呪文の様な言葉についてでした。そして東京の下町では、その後に「死んだら御免」と付け加えたらしい。
うそをついたら、「指を切る、針を千本飲ませる、そして拳骨で一萬回なぐるぞ」との意味だそうだ。
その上に、江戸の町人の間では死んでも約束を守るとの意味で「死んだら御免」と付け加えたそうだ。
遊びのなかに約束事を守らない事が如何に人の道に背くかを諭した言葉らしい。
福島県の会津藩校日新館では、6歳から9歳までの藩士の子供に教育を授けたが、毎朝読ませたと言ふ「什(じゅう)の掟」の七ヶ条があったが、その中に「虚言(うそ)を言ふことはなりません」の一ヶ条がある。
江戸の昔から武士も、町人も、子供のうちから人間として当たり前の事を体認させる事が大切と考えられていた様だ。現代にも通ずる事だと思いました。
小生も子供の時に亡母に良く「うそは泥棒のはじまり」と言われた事を思い出しています。
そして「人のふり見て、我がふり直せ」が続いた言葉だった。
約束事を守らない、うそで人を欺く事等が、人として如何に卑劣な行為かを考えさせられたものです。
こんな言葉の中に人間としての成長を願った、亡母の願いが込められていたのだと今にして思いを新たにした次第でした。