ピーナッツの唄

毎日の出来事や、スポーツ観戦、読書や映画等の感想を中心に、好奇心旺盛に書いています。

巨人軍は非情か

2009-02-14 12:52:24 | 読書
この本の事を偶然に知り、数軒の本屋を回ったが在庫が無いという。結局取り寄せをしてもらった。題名がかなりショッキングだったが、著者は読売巨人軍球団代表の「清武英利」氏である。元々週刊ベースボールに隔週で掲載された「野球は幸せか」と題する2年間のコラムをまとめ、さらに加筆した本である。そして出版社の担当者が「巨人軍は非情か」と命名したらしい。

この本は、野球好きの小生にとっては実に面白かった。急いで読み進めるには全く惜しい気がして、何日にも分けて読み進んでいる。新聞記者の現場で長らく働き、そして2004年8月から球団代表として赴任した。その後の悲喜交々の思いを綴った文章には、日々の、プロ野球の、それもトップ球団の代表としての迫力ある内容ばかりである。

球団代表の仕事は、いはば「入口」と「出口」を担当することだという。もちろん「入口」はドラフト、トレード等で新たな選手を受け入れることである。新たな選手が入団すれば、支配化選手の枠があるために、必然的に整理される選手が出てくる。これが「出口」の仕事である。勢いスタッフからは球団代表は選手たちに非情にならなければと言はれるそうである。

読売巨人軍はFAやトレードでかなりの有力選手を獲得してきた。しかし最近はドラフトや育成選手枠で獲得した選手たちの育成も順調に進んでいる。そこにチームとして強化されてきている一因でもあり、昨シーズンの優勝があるのだろうと思う。本には仁志や二岡のトレードのイキサツや、さらには清原を戦力外と決めた後のことにも触れている。さらにはクルーン投手の人間性も良く喝破されている。

どちらにせよこの本の終盤には、プロ野球界で読売巨人軍の主導してきた、すなわちドラフトの入団希望枠の撤廃に至った、無念の思いや、米国メジャリーグへの選手流出にも警鐘を鳴らしている。さらに北京五輪大会で優勝した韓国チームの冷静な分析なども描かれている。とは言へ、読売巨人軍がこれまでどうり球界の主導権を握り、リードしていくことは間違いない様である。若手選手の育成に力を傾注していることも注目して行きたい。

何度も読み返したい本であると思う。

この本のサイト紹介

      http://www.shinchosha.co.jp/book/313311/
コメント (6)
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