ピーナッツの唄

毎日の出来事や、スポーツ観戦、読書や映画等の感想を中心に、好奇心旺盛に書いています。

それぞれの人生ありて

2009-10-27 11:17:45 | 勉学
 毎週欠かさず読んでいるのに朝日新聞の「朝日歌壇」の欄がある。自分なりに俳句とともに、少しかじった時期があるだけに、自然とさまざまな方が投句をされているのを熟読させて頂いている、

 そして今週の同欄にさまざまな人生を送られた方の句を見つけた。流用させて頂くことをお詫びしながら、皆様にご紹介して見たい。

 ○ 「ブラジルへ帰り行く子の餞別は学級園のひまわりの種」 岡崎市 嶋田 稔さん
 色んな産業が不況に喘いでいる。ブラジルから家族ぐるみで日本に来られていたのだろうか。やむなく故郷のブラジルに帰る子どもに、学友たちは皆で育てたひまわりの種を送った。故郷での再生を願うやさしい気持ちが伝わってくる。

 ○ 「デイサービスでトランプしつつ息絶えた友をみんなが羨ましがる」 福岡県 北代 充明さん
 さっきまで元気にトランプの仲間入りしていた友がそっと亡くなった。家族の方に介護の苦労をかけずに逝った人を、居わあせた老人たちが羨望の目で見送る。哀しい現実を吐露している。

 ○ 「死ぬことを忘れてしもたそれでええおかん元気でいなはれおかん」 大和市 水口 伸生さん
 表現がいささか戯歌めいているが、「死ぬことを忘れた」と元気で話すお母さんを思いやる、温かみのある歌だと思う。おかん、おかんの関西弁が効いている。

 ○ 「解雇ののち離婚されにし同僚は髪まっしろに山羊のごと老ゆ」 和泉市 長尾 幹也さん
 何とも言いがたい雰囲気の歌である。何があったのだろうか?。リストラにあい職を失う不幸に、さらに離婚の追い討ち、人生のいくつもの岐路を迎えた友の老いを哀しく見つめている。

 最後にいささかホットさせられる作品を。

 ○ 「人生はやはり勝たねば駄目なのか首相の眼ぢから日毎に強し」 枚方市 福永 康子さん
 政権交代し2ヶ月、東奔西走する毎日の首相だが、自信に満ちた表情が見えるようになったと作者は断ずる。今後の政権運営を一種の不安も持ちながら我々は見守っている。

 
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする