千葉県長南町に「坂東三十三観音札所」の第三十一札所として古来より巡礼の霊場のひとつの「笠森寺」がある。
延暦3年(784年)伝教大師最澄上人が楠の霊木で十一面観世音菩薩を刻み山上に安置し、開基されたと伝えられている。
そして観音堂は長元元年(1028年)後一條天皇の勅願で建立された。
大きな岩山の上に建つ観音堂は、日本で唯一の
「四方懸造」の建築だ。
昭和25年(1970年)には「国指定重要文化財」の指定を受けて保護されている。
京都の清水寺が同様の建築様式だが、清水寺は背後が山肌になっている為に「三方懸造」である。
したがって写真で見られる様に四方に大きな柱で建つ、笠森観音堂は非常に珍しい建造物だと言ふ。
しかし周辺には大木が生茂り、全体像がなかなか見え難いのが残念だ。
二世安藤広重の諸国名所百景の浮世絵にも「上総笠寺観音」として描かれているそうだ。
今日は午後からカミさんと参詣に出掛けたが、静かな佇まいのなかの古色蒼然としたお堂と参道を歩き、そして自然をたっぷりと楽しんだのでした。
石段の続く参道で
お堂の全体像
こんな階段でお堂に登ります
岩山の上に建っている事が判る