父との会話を終えた淳の元に、一通のメールが届いた。

ダメージに会いに麺屋まで行くわ。
気になるならお前も来れば

その突然の亮からの招集メールを見て、思わず淳の顔が曇る‥。

三年生が終わった

時間は流れ続ける。
けれど河村静香は、一度嵌ったその闇からなかなか抜け出すことが出来ない。

地面を這うように身体を屈めたまま、呻くように言った。
「どうして出ないのよ‥」

「あたしの味方だって言ったじゃない‥」

静香の瞼の裏に、あの日頷いた雪の顔が浮かぶ。
胸の中で熱い炎が、チリチリと燃え始めた‥。

家を出た亮は夜道を歩きながら、先程静香から聞いたその言葉を思い出していた。
腹が立ったんなら吐き出さないと。どうして溜め込むの?

ショパンにそう話していたという淳の言葉。
亮は目深に被ったキャップのツバに手を伸ばしながら、一人こう呟く。
「そうだな淳。お前の言う通りだ」

「お前はいつも正しかったよ」

夜の道路を一台の車が疾走する。
淳は胸に溜まったその澱を燃やしながら、亮の元へと向かっていた。

先輩と初めて会ったのがついこの間のことのようなのに。

時の流れは本当に早いものだ

その頃雪は、PCをたたみベッドの上に座っていた。
視線の先には、電源を切ったままの携帯電話がある。

ふと気になって、その電源を入れてみた。

すると。

携帯はすぐに鳴り出した。
雪は着信主の名前を見て、目を見開いたー‥。


目の前にある鍵盤に、音も無く手を伸ばす。

亮は雪の叔父のカフェ隣の倉庫にて、ピアノを弾いていた。

表情を揺らすことなく、ただ淡々と。


鞄の横には携帯が置いてあった。
今はまだ鳴り出してはいない。

亮は一人、その時を待っていた。
正しさに潰された己の運命を、取り返すかのような心持ちでー‥。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<招集>
おおお‥ストーリーが動き出しました!
次回<握り締めた拳(1)>へ続きます!
☆ご注意☆
コメント欄は、><←これを使った顔文字は文章が途中で切れ、
半角記号、ハングルなどは化けてしまうので、極力使われないようお願いします!
人気ブログランキングに参加しました
人気ブログランキングへ
引き続きキャラ人気投票も行っています〜!

ダメージに会いに麺屋まで行くわ。
気になるならお前も来れば

その突然の亮からの招集メールを見て、思わず淳の顔が曇る‥。

三年生が終わった

時間は流れ続ける。
けれど河村静香は、一度嵌ったその闇からなかなか抜け出すことが出来ない。

地面を這うように身体を屈めたまま、呻くように言った。
「どうして出ないのよ‥」

「あたしの味方だって言ったじゃない‥」

静香の瞼の裏に、あの日頷いた雪の顔が浮かぶ。
胸の中で熱い炎が、チリチリと燃え始めた‥。

家を出た亮は夜道を歩きながら、先程静香から聞いたその言葉を思い出していた。
腹が立ったんなら吐き出さないと。どうして溜め込むの?

ショパンにそう話していたという淳の言葉。
亮は目深に被ったキャップのツバに手を伸ばしながら、一人こう呟く。
「そうだな淳。お前の言う通りだ」

「お前はいつも正しかったよ」

夜の道路を一台の車が疾走する。
淳は胸に溜まったその澱を燃やしながら、亮の元へと向かっていた。

先輩と初めて会ったのがついこの間のことのようなのに。

時の流れは本当に早いものだ

その頃雪は、PCをたたみベッドの上に座っていた。
視線の先には、電源を切ったままの携帯電話がある。

ふと気になって、その電源を入れてみた。

すると。

携帯はすぐに鳴り出した。
雪は着信主の名前を見て、目を見開いたー‥。


目の前にある鍵盤に、音も無く手を伸ばす。

亮は雪の叔父のカフェ隣の倉庫にて、ピアノを弾いていた。

表情を揺らすことなく、ただ淡々と。


鞄の横には携帯が置いてあった。
今はまだ鳴り出してはいない。

亮は一人、その時を待っていた。
正しさに潰された己の運命を、取り返すかのような心持ちでー‥。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<招集>
おおお‥ストーリーが動き出しました!
次回<握り締めた拳(1)>へ続きます!
☆ご注意☆
コメント欄は、><←これを使った顔文字は文章が途中で切れ、
半角記号、ハングルなどは化けてしまうので、極力使われないようお願いします!
人気ブログランキングに参加しました


