( 隠岐酒造「高正宗」佳撰 松江市「里」)
前話(2012/11/10夜話)のつづき
「『李白』っていったら「田中眼科だよね?」とそのお兄さんは、私に声をかけてきた。
「えっ 眼科??? ですか ごめんなさい 私 奈良から来たので
その辺 よくわからないです」としか答えようがなかった。
兄さんとはここに書いているが、私とほぼ同世代
私が奈良から来ている客と聞いて友達と飲みに来ていたその兄さんは
この店の常連さんというのがわかったが、私に島根の
名産や名所を色々と教えてくれた。
いわゆる私の島根版といった感じだ。
島根は、仁多という処の米が、美味しい。山陰で一番の旨さ。
それに○○町(←憶えていない)の島根牛なんか最高。
石見も行ったらいいよ 玉鋼(たまはがね)の産地などなど
( 「こんなちっぽけな玉鋼で千円以上するんだ」とか・・・ )
そして極めつけが、折角松江に来たのなら 「李白」もいいけど
隠岐の島の酒 「高正宗」を飲んで帰らなきゃ
それも上撰じゃだめ、通は「佳撰」でないと
この店にはたぶん置いてるよ~
(「タカマサ」佳撰)
そう奨められては、その「タカマサ」の佳撰注文しないわけにいかない。
ついでに「おでん」も頂いていいですか~ となった。
やがてグラスにそそがれた「タカマサ」佳撰に
ゆっくりと口をつけてみる。
( 松江のおでんで隠岐の酒「高正宗」を味わう )
何とも純米酒のような ふっくらとまろやかな味わい
「どう? 美味しいやろ ?」と私に確認した兄さん
「確かに 何だかいろんな味わいがしますね
ふっくらとした純米酒みたいな感じですわ」と応えると
「今度社長がその感想聞いたらとても喜ぶわ」とカウンター奥からお母さんの声。
その言葉から、「高正宗」の酒造会社の社長が、隠岐から松江に来た際は、
この店に立ち寄って飲んで帰るんだろうな・・・と察しがついた。
そうか、この店は、松江で隠岐の酒「高正宗」が飲める店なんだ。
それにしても ラベルの後ろを見てびっくり!
アル添・酸味料・糖類が入っている。
だけど味わいは一級品だった。
さすが、島で愛される酒
だけあるな・・・
「今夜は思いもかけずとても勉強になりました」とその兄さんと
お店の親子に礼を言って店を出た。
「また松江に来たらまた寄ってくださいね」という娘さんの言葉に送られ
暗い中に提灯が明るい店「里」を後にしたのだった。
本当にまた来ちゃうかもしれない・・・と思いつつ
これが文字通りの「里心(さとごころ)」というやつなのかも・・・
つづく
(寅)
「高正宗」は、高そうな名ですね。
隠岐の島のお酒でしたか。
名刀の切れの良さから 切れ味の良い酒を正宗とつけたと聞いたことがあります。確か、最初は櫻正宗だったかと・・・
この高正宗は、島の地元の人たちに最も愛されている酒だと聞いて、松江に行ったらこの店で呑めるので、寄ることにしてます。(寅)