『食ひ改めよ -無病健康法-』(久留弘三:著、体行会:1937年刊)という本をご紹介しています。今回は第4回目です。
◆肉食の害と砂糖の毒
この本の著者の久留弘三氏は、我々が滋養物だと思い込んで多量に食べているが、実は多食するとかえって大きな害のあるものとして、肉と砂糖をやり玉に挙げています。彼の主張を要約すると、以下のようになります。
1.肉食の害
・人間は本来穀食動物であるから、肉を常食すべきではない。そのため、我が国においては、古来より禁肉に関する勅令が布告されている。
・仏教の高僧には長寿者が多いが、彼らは肉食を不浄食として斥(しりぞ)けていた。今日、長寿者の健康法を聞くと、ほとんど例外なしに菜食のようである。
・肉食とは、牛、馬、豚の肉はもちろん、鳥や魚肉まで含まれる。
なお、石塚左玄氏の説として、曽我稲目が仏教を導入したのは、肉食を退治するための政治的な方策だったという説が紹介されています。
2.砂糖の毒
・砂糖は、ナトリウムの排泄を促して体内の臓器や組織を弛緩させ、様々な病気を誘発させる原因となる。
・記憶力の減退、敗血症、壊血病、腎臓病、糖尿病、虫歯、近眼などは、いずれも甘味の多食から来る。
・元来、日本人は米を主食としているから、これ以上糖分を摂る必要はない。
こういった主張には私も同感で、このブログで度々指摘してきたことと相通じるものがあると思います。ただし、これだけでは情報は十分ではないと思いますので、「寿命と食事」や「亜硝酸塩にご注意」、「砂糖の害」など、本ブログの初期の記事もよかったら参考にしてください。
また、果物を食べることについては、「洋食の後に果物の出てくるのには意味がある」としながらも、「米食を主としている我が国に於いては、全くこの必要を認めない」と断言し、多食を戒めています。
これは、果物に含まれる糖分がお米の糖分とダブってしまうということでしょうか? いずれにしても、「食養道」を守っている限りは、あまり果物を食べることにこだわらなくてもよいのかもしれませんね。
次回は、身土不二についてのお話です。