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"keep passing the open windows" あるいは白いタキシードの男




夕方から晴れたのでハンプシャー州のホテル lime wood へ。


夫に、「ハンプシャーのホテルと言えば『ホテル・ニューハンプシャー』やんね!」といつも言いたくなるのだが(もちろん「ハンプシャー」が共通しているだけでなんのつながりもない)、彼はあの類いの小説や映画は絶対に読んだり観たりしていないから、何度も飲み込んで来た。

わたしの予定ではアーヴィングを愛読するような男と恋愛するつもりだったんですがね...

そのかわりに、「ニュー」ハンプシャーと開拓者が新大陸の土地に名付けたということは、少なくとも「ハンプシャー」が彼らにとっては美しい思い出を誘ういい土地だったということよね?
だって、汚くて惨めな土地名をわざわざ選ぶことはないもんね。新天地なんだから希望に燃えていい名前を選んだはず...
そんな話をした。


ところで、「ホテル・ニューハンプシャー」には「白いタキシードの男」がマクガフィン的に登場する。

ハンプシャーのホテルのレストランに入ると...

白いタキシードの爺さんがおられたんですよ!
正確には白いダブルのスーツ。
さすが英国である。
薔薇色の顔を銀髪が縁取り、全身の1割がピンクで残りが真っ白という、白ウサギの着ぐるみのような人だった。
白いウサギのような紳士の出入りするホテル...そんなホテル、経営したくなりますよね?ね?ね?

で、これはおもしろすぎる! と思って夫に説明しようとするも、やはり失敗に終わり(まさに上記のような根拠の乏しい説明をしたので)、ここに記すことにしたのである。このブログをご覧のみなさまの中には「ホテル・ニューハンプシャー」好きの方も何人かはおられるだろうと...



アーヴィング的に次々と問題が起こり、家庭内でドタバタやってるうちに問題も喉元を過ぎ、そこへまた次の問題が...という感じで、まさに "keep passing the open windows" (開いてる窓の「覗いてみる?」「飛び降りてみる?」という誘惑に負けずにそこを通り過ぎろ)のホテル・ニューハンプシャー。この警句は20代のわたしのモットーでもあった。

わたしも何十年かぶりでもう一度観てみようと思う。
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