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水仙の里




先日も書いたが、毎年この時期になると英国の(ベルギーでもそうだった)スーパーマーケットでは、山積みで水仙が販売されるようになる。

束15本ほどで1ポンド(約150円)だ。


この大量のワーズワースの春の花はどこから出荷されるのだろう、そういえば大陸ヨーロッパの春、カフェに座る客に売りに来る花売りもいたよな...と思っていたらこんなニュースが。

英国の水仙の産地のひとつはイングランド南西部のコーンウォール地方である。
取材されていた水仙農家では5千万の水仙を刈るために、例年ならば東ヨーロッパから季節労働者を雇い入れるのだが、新型コロナウイルス禍と、もちろんブリグジットの影響で、今年は半数しか来てもらえていないそう。

機械で刈り取れないのは、一つの畑にさまざまな種類の水仙があり、長さもまちまちなため、人手に頼るしかない。

労働者の中に英国人は一人もおらず(刈り取りが始まったときには5人いたにはいたが、仕事が厳しくすぐに辞めてしまった)、例えばリトアニア人が作業をしている。


ブリグジットの影響で、政府はフルーツ農家向けに3万もの労働ビザを発給したそうだが、花農家は忘れ去られているとのこと。


どこまでも続く黄色い畑は満開の水仙、輝いていた。

咲いてからではもう刈り取るには遅く、この花はゆっくり畑で腐っていくのだそうだが、例年は硬い緑色のつぼみの時にすっかり刈り取られてしまうのだとしたら、この光景は稀に見る「春宵一刻値千金」ではないか。


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