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フランボワーズの季節が




小麦粉と白砂糖なし、低糖質のフランボワーズ・タルト。アーモンドクリーム部分にも入れられるだけフランボワーズを入れた。

フランボワーズはサリー州のとなりの州、ケント州産。ケント州はイングランドの庭、と呼ばれている。

......


先週のBBCの記事だったか、去年3月下旬から続くロックダウン下で、英国の「肥満」関連の疾患入院患者数が10万人を超えたそうである。

英国はヨーロッパで最も悲観率の高い国である。肥満は新型コロナウイルスに罹患した際の悪化の大きな原因であり、もちろん他の病気の原因にもなる。

過去一年間で英国の人々が最も食した食べ物は「デリバリーのピザ」だったそうだ。
そうだろうなあ。


先日、夫に、娘が大学進学して家を出て以来、彼女の食生活の乱れが気になると話したら、「学生は時間がないから」と彼は言った。
医学部3年生の彼女が超多忙の毎日を送っているにはしても、わたしはこの考え方には賛同しない。ないのは時間ではなく、ないのは習慣である。

批判するつもりはないが、時間がない(あるいはお金がない)せいで、デリバリーのピザなどファスト・フードやテイクアウト、出来合いの食品を食べるしかないと思っている人は、もちろん時間その他がない面はあるにしても、改善すべき点は習慣や思い込みにもあるのではないかと思う。
自分で料理するには手間と時間がかかりすぎるとか、食料品を毎日揃えるのは高価であるという思い込み。

わたしは娘の世話をしすぎて、鶏をオーブンで丸焼きにしておき、いろいろなメニューに活用する方法、とか、週末に卵を6つ茹でて皮を剥いて冷蔵庫に入れておくとサンドイッチの具だけでなく、スナックにもなるとか、ひじきを煮付けて常備菜にして多様するなどを教えてこなかった。

夏休みに彼女が帰ってきたら、そういう習慣を教えようと思う。
上のフランボワーズのタルトも、材料さえあれば、ワンツーでできあがるのである。
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イングランドの花







『オフィーリア』Opheliaジョン・エヴァレット・ミレー
1851年-52年
テート・ブリテンで撮影


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日本でおいしいご飯が食べたい




去年の9月から毎月延期し続けている日本一時帰国、来月も無理かもしれない。

日本国籍があれば、権利としていつでも帰国はできるのだが、ひとりで2週間の隔離生活はどう考えてもきつい。

わたしはワクチンを二回接種終了しているとしても、実家には立ち寄れない(ご近所の目が怖いのです)し、美容師さんも、エステシャンの方も、あまりいい気持ちにはならないかも...

現在英国では無料で配布されている新型コロナテストキットで毎日検査するつもりではいるが。




恋しいのは美容室やエステの他に、もちろん食事だ。食事、食事、食事。日本のご飯は世界一。

自分の家庭料理もう飽き飽き!!

しかし今は黙って作り続けるしかない。海外生活でも、なくてはならない調味料を使って。

時々、郵便で補給しているにはしても、生ものは自分が一時帰国するか、一時帰国する人にお願いしなければならない。
写真ではジョセフィーヌのドレッシング(最近帰国された方にお願いした。使いかけ失礼)、日田お味噌(毎回、伝えずとも友達が買ってきてくれる!)など...




わたしは出来合いのソースや調味料などはあまり使わない方で、これくらいがあれば十分だ。
良いお塩、良い酢、良い砂糖、良い胡麻とごま油、良い味噌、良い出汁、良い昆布、そしてなしでは多分サバイバルできない醤油はキリがないのでこちらの日系食料品店で買う。日本酒も重いためシェリー酒で代用。

日本のものではないが、最近とてもよく使うのがピーナッツオイル。身体にもよく、マイルドで、ドレッシングがとてもおいしくなる。醤油と砂糖と、ピーナッツオイルで無限に野菜が食べられる...


海外にも持ち運べる(要冷蔵でない)おすすめの調味料教えてください!
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ソールズベリーの旧市街、素敵。




ストーンヘンジからの帰り道、お茶をする前に最寄りの街、ソールズベリーに立ち寄った。

ソールズベリーに行くのは初めて。何、この素敵な旧市街!

13世紀に形成され始めた街で、14世紀にはウィルトシャー一の街に成長。
有名なソールズベリー大聖堂を中心に、広々としたシックな前庭を持つ大陸風の家が立ち並ぶ。
エイヴォン川の清流、豊かな緑、さえずる小鳥。

ほれぼれと邸宅を眺めながら散歩していると、ひとつ気がついたことが...

フランス語の名前がついている家が多い(英国は家屋には番号ではなく名前がついていることが多い)。
「猛犬注意」の札もフランス語Attention, chien méchant だったり...

単に偶然フランス人の家族が住んでいるのかもしれないが、それにしては多すぎるし、こういう注意書きは家族のためにではなく、侵入せんとする他人に対してのものである。
はて、なぜだろう。




ネットで一通り見てみたが、答えは見つからない。

わたしの推理はこうだ。

先にその結末を書いておく。

1066年のノルマン・コンクエストで、ウィリアム一世とともにノルマンディ(フランス)から来た貴族の子孫であると「自認」し、支配階級であることを「誇示」するためではないか...

気が遠くなりそうな1000年近く前の話だが、聞いて頂戴。

急にわたしがそんなことを言い出すのは頭がイカれているからではない(そうかもしれないけど)。


1066年のヘイスティングの戦いで勝利した「フランス人」ウィリアム征服王(ウィリアム一世。フランスではギョーム二世)は、1086年、ここソールズベリーで諸侯に忠誠を誓わせた。ソールズベリーの宣誓である。

そして大陸式の封建制による主従関係を明文化したのが、同年に製作されたドゥームズ・デイ・ブック(最後の審判の日の土地台帳)である。これをもとに税金を取ったりするわけです。

この時、王の直参180人の領主貴族のうち、被征服民族アングロサクソン系はたった6人。残りは全てフランス人家臣。イングランドの土地は勝者フランス人に与えられたのである。

この結果、支配階級はフランス語を話すフランス人、町人や農民は英語を話すアングロサクソン人、となった。

つまり、ソールズベリー旧市街のフランス語名を持つ美しい家々は、持ち主が「支配階級である」であることを誇示するものではないか...

というのがわたしの推理。

ベルギーにも同じような現象はあって、フラマン語を話す北ベルギーにおいても、過去、支配階級であったということを誇るためにいまだにフランス語を話す家族、人はいるのである。




英国島は、古来ケルト民族が住んでいた島だ。

ローマ時代、帝国に組み入れられてからも、基本的にケルト民族の国だったが、4世紀ごろに始まるゲルマン民族の大移動によって、その一部族であるアングロサクソン人が波及状に移住してきた。

この時にトコロテンのように押し出されたケルト人の末裔が、スコットランド、アイルランド、ウェールズ人ということになっている(もちろん「民族」がはっきり綺麗に分かれているというのは幻想である)。
この時、新たに移住してきたアングロサクソンの国という意味でのちに「イングランド」と呼ばれるのである。

アングロサクソンの国はしかし不安定だった。
そのうちの大国は7王国(ヘプターキー)と呼ばれ、400年の抗争の後、10世紀になってやっと統一王国となるが、このころはスカンジナビアからヴァイキングがたびたび襲来し、11世紀にはデーン人の王がイングランド王を兼ねた。
地図を見るとスカンジナビアと英国島はとても近い。

11世紀になると、7王国のうちのひとつ、ウェセックス王国(今のイングランド南部地方)のエドワード懺悔王には世継ぎがなく、周辺からは国と地位を狙われていた。


さて、このころフランスのノルマンディー地方は、ノルマンディ家の支配下にあった。
ノルマンディもイギリス海峡のすぐ向こうだ。
ノルマンディ家は10世紀のロロを祖にする、元はフランスに攻め入ったこれまたヴァイキングの末裔であった。
のちに西フランク王国のシャルル三世によって封土され、ノルマンディに定住してすでに何世代かが経過し、フランス人化していた。

ノルマンディ家の庶子、ギョーム二世(ウィリアム一世のことね)は、エドワード懺悔王の母エマが、ギヨームの大叔母であることで王位継承権を主張、英国島に攻め入り、征服したのである。

これが今に続く、エリザベス女王に続く王朝の祖である。


...こういう話を聞くと、ヴァイキング、強い。ヴァイキング(ゲルマン系)の子孫、めちゃくちゃ多いんんじゃない? という感じすらする!
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芍薬の季節は嵐の季節




あまり見かけない色だと思って買った芍薬、単だった。

花びらは透明感のある、血色のような、棒付きキャンディーみたいな色。
写真で色を出すのが難しい。




イングランド南部は芍薬の季節は春の嵐が吹き荒れる季節だ。今日も風神がお腹を壊したのかと思うくらいのものすごい風が...

今年は去年一昨年に比べてなかなか気温が上がらず、最近は最高気温15度あたりをさまよっている。

庭の花は芽を出してはひっこめ、出しては固まっているという感じ...

芍薬はだいぶ背が伸びたので強風に倒れないよに枠をつけてやった。

そろそろ藤とライラックが終わり、芍薬と薔薇の季節。
芍薬と薔薇の季節は嵐の季節なのである。
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