このブログでもJR北海道の問題を取り上げてきました。このところ、仕事の関係によって記事を掲載していませんが、新聞報道などは読んでいます。
2018年10月12日、札沼線の北海道医療大学〜新十津川の廃止について、沿線の4町長が合意したと報じられました。これにより、2019年に廃止されることが確定的になったと言えます。同線は、札幌駅の隣の桑園駅から留萌本線の石狩沼田駅までの路線であり、札沼線という線名もこれに由来するのですが、第二次世界大戦中には石狩当別〜石狩沼田が休止されており、1972年には新十津川〜石狩沼田が廃止されます。1980年代に入って桑園〜石狩当別(さらに北海道医療大学)は地方交通線と思えない程の活況に満ちることとなり、一部が複線化された上に電化までされますが、残りの区間は典型的な赤字ローカル線のままでした。今や、浦臼〜新十津川は一日一往復のみという状態で、廃止は時間の問題であったと言えるでしょう。
さて、本日は日高本線を取り上げます。2016年12月22日15時26分56秒付で「日高本線の不通区間も廃止か」という記事を掲載しましたが、やはりそうなりそうです。朝日新聞社が、2018年11月18日3時0分付で「北海道)日高門別−様似間のバス転換容認 JR日高線」(https://www.asahi.com/articles/ASLCK5VQ8LCKIIPE00H.html)として報じています。
実は、この記事を書いている段階において、日高本線は全線(苫小牧〜様似)が不通となっていますが、11月19日の午後に苫小牧〜鵡川の運行が再開されます。しかし、鵡川〜様似は代行バスのままです。2015年1月に高波による土砂流出が発生し、その数日後に静内〜様似の運行が再開されたものの、2月下旬に再び鵡川〜様似が不通となりました。それから3年半以上が経過しています。
この間に、JR北海道は鵡川〜様似について廃止およびバス転換を打ち出したのに対し、沿線7町長は反対していました。しかし、この区間の復旧に86億円が必要とされ、運行を再開すれば年間に13億円程の経費がかかるということで、沿線7町長は全区間の復旧を断念するということで11月17日に合意をしたとのことです。
ただ、鵡川〜日高門別については、大きな被害がないということ、比較的に利用客が多いということで、鉄道としての運行の再開を求めるというのが、沿線7町長の意向でもあります。
17日の合意は、町長間での合意というに留まります。つまり、まだ各町の議会などに諮っていないのです。これから議会の意見などを聴き、24日に再び町長会議を開いた上で、12月25日に最終結論を出そうと考えられているようです。ちなみに、沿線7町長の間では、鵡川〜様似のバス転換と、鵡川〜日高門別:鉄道・日高門別〜様似:バス転換、鵡川〜様似の復旧(つまり鉄道路線の維持)という3つの案が検討されていました。
地元も廃止を受け入れるということになれば、日高本線の短縮は避けられないことでしょう。ただ、何の記事で読んだのか覚えていませんが、日高本線は(地方の鉄道としては御多分に漏れずというところですが)速達性などの利便性が低く、例えば静内などから札幌方面に向かうにはバスのほうが便利であるとのことです。そして、(これまた御多分に漏れずという話ですが)自家用車社会の進展です。沿線7町長が鉄道での存続を訴えたところで、実際の説得力は非常に低いと思われます。当該自治体職員およびその家族が、生活において公共交通機関をどの程度利用しているかを意識しておくべきでしょう。