異教の地「日本」 ~二つの愛する”J”のために!

言論宗教の自由が保障され、ひとりひとりの人権が尊ばれ、共に生きることを喜ぶ、愛すべき日本の地であることを願う。

安保法制、11日に与党正式合意 14日閣議決定、首相記者会見へ

2015-05-11 23:40:17 | 戦争 自衛隊 

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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015051001001070.html

安保法制、11日に与党正式合意 14日閣議決定、首相記者会見へ

2015年5月10日 17時40分

 自民、公明両党は11日、安全保障法制に関する与党協議会を国会で開き、集団的自衛権の行使を可能とする武力攻撃事態法改正案など今国会に提出する関連法案について正式合意する。政府は両党の党内手続きを経て14日に臨時閣議で決定し、安倍首相が記者会見する予定だ。

 関連法案は、武力攻撃事態法や自衛隊法、周辺事態法など改正対象の法案10本を一括した「平和安全法制整備法案」と、国際紛争に対処する他国軍の後方支援を随時可能とする恒久法「国際平和支援法案」の計2本。

 昨年7月に憲法解釈を変更して容認した集団的自衛権の行使手続きは、武力攻撃事態法の改正部分に盛り込まれる。

(共同)
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                                                                 画像by小原 美由紀

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                                                              画像byMasato Mizutani

 


「届け、福音!東へ西へ!」 元ヤクザ進藤龍也牧師 × 元暴走族リーダー野田詠氏牧師対談

2015-05-11 22:00:51 | キリスト教 歴史・国家・社会

Christian Today, Japan

http://www.christiantoday.co.jp/articles/15990/20150505/shindo-tatsuya-x-noda-eiji.htm

「届け、福音!東へ西へ!」 元ヤクザ進藤龍也牧師 × 元暴走族リーダー野田詠氏牧師対談

2015年5月5日00時47分 記者 : 守田早生里

[罪人の友]主イエス・キリスト教会の進藤龍也牧師(右)とアドラムキリスト教会の野田詠氏牧師
 

進藤龍也(しんどう・たつや):埼玉県川口市にある[罪人の友]主イエス・キリスト教会牧師。前科7犯の元ヤクザで、3度の服役を経験。獄中で差し入れられた聖書で人生が変った。現在は、受刑者との文通や、出所後に教会を訪れる人々をキリストへと導くことに重荷を持って活動している。著書に『立ち上がる力』(2012年)、『あなたにもある逆転人生!』(14年)など。

野田詠氏(のだ・えいじ):大阪府東大阪市にあるアドラムキリスト教会牧師。10代で暴走族に入り、窃盗、暴力行為、暴走行為などで4度鑑別所に入る。4度目に少年院に送られ、そこでクリスチャンの兄から差し入れられた聖書を読んで神を信じるようになった。現在は、少年院から退院してきた少年を受け入れ、更生、自立へと導く活動を行っている。著書に『私を代わりに刑務所に入れてください』(15年)がある。

進藤牧師、野田牧師のお二人が並ぶと迫力がありますね(笑) 今日はお二人にお会いできて光栄です。まず初めに、お二人の幼少期のお話をお聞かせください。

進藤    俺は、生まれも育ちも埼玉県蕨(わらび)市、川口市界隈(かいわい)ですね。最初は良かったんですよ、うちの家族も。それが次第に親父が浮気するようになったり、仕事もしないで、フラフラと遊びに行くようになってね。母が生活を支えるのに、夜、仕事に出るようになったんですね。

野田    僕の場合は、3歳の時に両親が離婚したんです。小学校3年生くらいの時に、母親が経営するスナックの2階に引っ越すことになったんです。

進藤    俺の母ちゃんもスナックを経営してましたね。親父はそんな感じだったから、家には帰ってこないし、俺、ひとりっ子だから、夜は一人だったんですよ。それが寂しくてね。今でもよく覚えてるのが、外に捨ててある缶詰のカンをそこら辺の棒きれをバットにして、打ってたこと。缶を打つと、カラン、カランって音が鳴るでしょ。それを誰もいなくなった空き地とかで一人でやってたの。なんでそんなことやってたかは分からない。自分の存在を誰かに気付いてほしかったのかもしれないけど、今でも何でそんなことをしていたのかは分からないまま。でもね、母ちゃんが仕事に行く前になると、全身にじんましんが出るんだよね。俺は男だし、小さい時って恥ずかしくて、「寂しいから、母ちゃん、仕事に行かないで」なんて言えなかったんだよね。でも、体が反応して、もう必死で「一人にしないでくれ」って言ってたんだね。

野田    僕も2人兄がいるのですが、年が離れていて、スナックの上に引越したときには、すでに2人とも独立していて、僕と母と2人だったんですね。寂しかったですよ、それは。僕はテレビを見るしかなかった。当時、はやっていたアニメの「タッチ」とかね。真剣に見ている時はいいのですが、終わりの歌が流れると、何とも言えなく寂しかったな。寝る頃になると、下から母と知らない男の人のデュエットしてる声が聞こえてくるんですよ。もうむなしいというか何というか。

「届け、福音!東へ西へ!」 元ヤクザ進藤龍也牧師 × 元暴走族リーダー野田詠氏牧師対談

お二人とも寂しかった幼少時代を過ごされたようですが、お母さんについて、今、思うことは?

進藤    俺の場合、2回目の服役の時に、母ちゃんが「龍也が捕まってくれて良かった。安心した。これで龍也は殺されなくて済む」って言ったの。抗争事件なんかしょっちゅうだったからね。大けがして、入院したこともあったしね。あぁ、母ちゃんも俺のこと心配してくれてたんだな、つらい思いさせて悪かったなって思ったね。

野田    僕も「寂しい」とは思っていたけど、僕がある時、上級生の家でいじめられたとき、母がその家を探し当てて、一目散に飛んできてくれたんですね。また、少年院送りに決まったときに、「私の育て方が悪かったんです」と泣き叫ぶ姿を見たときに、本当に悪いことをしたと思いました。ある意味、母の愛情が僕に届いたから、僕は凶悪犯罪を起こさないで済んだのだと思います。

非行に走った原因は何だったのでしょうか?

進藤    俺の育った蕨とか川口って、以前はスナックがたくさんあったの。だから、クラスに何人かは「スナックのママの息子」っていうのがいて、そいつらと一緒に夜遊ぶようになって。小学4年生くらいで、ゲームセンターとかに、夜にはびこるようになったね。中学生たちにカツアゲされたらたまらないから、自分たちでしっかり縄張りっていうか、世界を作ってね。そういう所が居心地がいいんだよ。結局、この「居場所」っていうのが必要なんだよね。犯罪者にも非行に走る子どもたちにも。

野田    僕は、中学生の時はサッカー部に入っていて、それなりに一生懸命やっていたんですよ。でも、人間関係とか崩れ始めるとダメでしたね。それに、ちょうど同時期に2番目の兄が精神的な病にかかって、それが大きかったかな。そして、なぜか「居場所」を暴走族に見つけたんですね。

牧師として、また犯罪者や非行少年の矯正に関わる人間として、大切にしてることは何ですか?

進藤    関係づくりだね。まずは風呂でも入って、彼らの話を聞いてやること。色んなことを抱えてるんだよ、彼らも。

野田    僕も関係づくりですね。小さい頃から事情があって親と暮らすことができない少年の場合、「神様」を信じる前に、ある意味「人間」を信じさせなきゃいけないと思うんですよね。

進藤    俺の場合は、刑務所伝道だからだいぶ年齢が違うのと、彼らは刑務所の中で、俺の本を読んでくれたり、どこかで俺の噂を聞きつけて、どっか俺を信用するっていうか、もう刑務所出て、どこも行くところがなくて、すがるような気持ちで俺の所に来る人がほとんどだから、ある意味、人は信用してるんだよね。

先生方の元を訪れても、去って行く人も多いと聞きました。「もうやめてしまいたい」と思ったことはありませんか?

進藤    そうですね。最近はだいぶタフになったよ(笑) 俺はね、裏切ったり、途中でいなくなっちゃたりするヤツをかわいそうだなと思うようになりましたね。「こいつは人を裏切っても、罪悪感すら芽生えないんだな」と思ったら、祈らずにはいられないでしょう。俺は彼らのために祈ってるよ。それでもたまに近況を聞くと、教会は離れてるけど、再犯してないとかね、被害者に自分で稼いだお金で返金したとかね、そういう成長を見るとうれしいね。牧師になって一番嬉しいのは、そういう自分が関わった人間が成長しているところを見ること。それが一番の恵みだと思ってる。

野田    そりゃね、僕のところに来て、途中でいなくなっちゃたり、教会から離れちゃったりしたら、僕は牧師としては、5割は成功だけど、5割は失格ですよね。しっかり教会につなげることができなかったんだから。でもね、彼らが僕の所なり、進藤先生の所に来て、少なくても真剣に関わってくれた大人がいたってことを感じて、仮に離れても、その経験を元に再犯してないってことは、日本の社会には貢献してるってことですよね。これって、すごい証しになると思うんですよ。

「届け、福音!東へ西へ!」 元ヤクザ進藤龍也牧師 × 元暴走族リーダー野田詠氏牧師対談

私たちにもできることはありますか?

野田    犯罪者や非行少年たちと直接関わるのは、僕や進藤先生みたいな人がやることだと思うんですよね。でも、こうした人たちを支えるには、まずは衣食住を支えてあげる必要があります。信仰を持って、もし皆さんが献金してくださるなら、それは本当に励みになりますね。

進藤    一人でもこうした働きを支えてくれる人がいるって思うだけで、俺らは励まされるんですよ。

こうした伝道をしていると、恐怖を感じることや、誰かに恨まれるようなこともあると思います。

野田    僕らはね、暴走族だったり、ヤクザだったりして、もう免疫があるから、どんなことがあっても怖くないと思うかもしれませんが、そんなことないんですよ。何年たっても、迷いながら、傷つきながら、前に進んでいるんです。薬に溺れている少年が、金が無くなると、嘘ついたり、色んなことして親からお金をむしり取るんですね。でも、それを僕は「お母さん、お金出しちゃダメですよ」と話すと、その少年から逆恨みされて、「何でお前に関係あるんだ! 余計なこと言うな!」ってすごんでくるわけですよ。僕にも家族がありますから、そりゃ、保身に走ることもあります。そこにいくと、進藤先生はすごいと思うんですよね。「俺のせいにしていいよ。俺を悪者にすればいい」ってさらっと言いますからね。

進藤    だってさ、金を出さないと、お母さんは子どもに恨まれるわけでしょ。お母さんだって、自分のことを恨む子どもを恨むかもしれない。こんな親子関係ほど不幸なものはないでしょ。そこに悪者の俺が入って、「進藤っていうムカつくヤツが入ってきたから、親がお金をくれなくなった」って思えば、その恨む対象が俺になるわけよ。俺は恨まれたっていい。その子がすごんできたら、『薬やめればいいでしょ?やめられるよ』って言ってあげられる。

犯罪者、非行少年の家族、当時者に一言をお願いします。

野田    とにかく相談してほしい。相談したら、僕らに丸なげするのではなく、長期戦になるかもしれない闘いを一緒に闘ってほしい。

進藤    本当に、その通りですね。俺の夢は、俺が死ぬまでに日本の犯罪率が下がること。1%でも下がれば、それはすごいことだと思いますね。神様の愛によって、日本が変わることですね。

祈っています。頑張ってください。

進藤    神様が一緒にいてくださる。俺らはこの伝道を誇りに思っています。西と東でまだまだ頑張りましょう!

野田    そうですね!

 

■[罪人の友]主イエス・キリスト教会
http://tsumitomojesus.wix.com/tsumitomo-honbu

■ アドラムキリスト教会
http://www.adullum.com

 

 


教会・国家・平和・人権―とくに若い人々のために⑭

2015-05-11 21:56:12 | キリスト教 歴史・国家・社会

木下裕也先生の「教会・国家・平和・人権―とくに若い人々のために」記事を連載しています。

木下裕也木下裕也(プロテスタント 日本キリスト改革派教会牧師、神戸改革派神学校教師)

教会・国家・平和・人権―とくに若い人々のために⑭

 神のはかりをもつ


人はだれしも、自分こそが正しいというはかりを宿しています。このはかりに照らすなら、いつも自分は正しく、他人は間違っているということになります。もちろん、このはかりそのものが最初から曲がっているのです。人間を超えたお方、正義そのものであられる神のはかりを知るとき、人は初めて自分の曲がったはかりから抜け出して、自分や他者や世界を正しく見つめ、はかることができるのです。神のはかりをもって生きるということはきわめて大切なことです。国家の場合にも、このことは言い得ると思います。

...

戦時下にあっても受難と抵抗の歴史を刻み込んだ教会やクリスチャンたちがありました。内村鑑三門下、無教会の信徒であった矢内原(やないはら)忠雄【注1】はしばしば日本の軍国主義化を憂い、国のありかたを批判しました。1937年、講演会の席上で神よ、理想を失ったこの国を一度葬ってくださいと語ったことがきっかけで、大学教授の職を負われます。戦後は復職し、日本が平和国家となることにも力を尽くしました。

 

愛国心ということがよく言われます。クリスチャンにとって国を愛するということが成り立つかどうかということには議論があります。クリスチャンはキリストにあって、もはや自分の国だけを愛するという次元を超えているとも考えられるからです。そこではもはや「ユダヤ人もギリシア人もなく、奴隷も自由な身分の者もなく、男も女も」【注2】ないからです。

当時の無教会の人々の場合には、みな国を愛する思いをもっていました【注3】。ただ重要なのは、彼らの場合にはキリスト教信仰の立場から、神のはかりに立って愛国心を考えるまなざしをそなえていたという点です。

 

矢内原は、国を愛するとは自分の国のありかたをそのまま正当化し、良い部分だけを見て都合のわるいところは隠すということではない、国を神の正義のもとに立たせ、神の正義と平和を映し出す歩みへと導くことこそ真の愛国心であると論じました。そして、神のはかりのもとに置かれていることを忘れ、偏狭なナショナリズムをふりかざして自己中心的なふるまいに走るなら、その国はいかに軍備をかため、経済的に豊かになっても滅びを免れ得ないと警告したのです。

これは預言者的警告そのものです。事実矢内原は旧約聖書の預言者たちの信仰と行動をきわめて重んじていたのです。

 

【注1】1893~1961。

【注2】ガラテヤの信徒への手紙3章28節。

【注3】内村鑑三自身も、自分は「ふたつのJ」すなわちイエスと日本に命をささげると語り、無教会主義とはこの日本に真のキリスト教を根づかせるための取り組みであると主張していました

 

 


教会・国家・平和・人権―とくに若い人々のために⑬

2015-05-11 21:55:28 | キリスト教 歴史・国家・社会

木下裕也先生の「教会・国家・平和・人権―とくに若い人々のために」記事を連載しています。

木下裕也木下裕也(プロテスタント 日本キリスト改革派教会牧師、神戸改革派神学校教師)

 

教会・国家・平和・人権―とくに若い人々のために⑬
 

戦争とキリスト教会 

十五年戦争の時期は日本の教会にとっても最大の試練の時期でした。教会も戦争に協力させられ、クリスチャンたちも神社や神棚の参拝、戦勝祈願、君が代を歌うこと等を強制されました。礼拝堂には天皇の肖像がかかげられ、礼拝説教において滅私奉公【注1】の精神が説かれました。

 

1940年、宗教団体法が施行されます。宗教団体を国家が支配し、管理統制し、戦争に加担させるための法律です。この法律のもと、翌年には日本基督(キリスト)教団が設立されます。当時のほぼすべてのプロテスタント教会が合同してできた教会です【注2】。ただ、この合同は自発的なものではなく、軍部の圧力によるものでした。「日本基督教団戦時布教指針」という文書には、この教団は国体の本義に徹し、忠君愛国の精神に立って戦争の目的をとげること...に邁進(まいしん)し、必勝を祈願するとうたわれています。あきらかに戦争に奉仕する団体となってしまっていたのです。この時期には神道とキリスト教とを折衷(せっちゅう)した皇国主義的キリスト教なるものも現れます【注3】。

 

当時の教会や信徒たちは、決して自分からすすんで戦争をしかけたわけではなかったと思います。戦争へとなだれ込んでいく国家のありかたに疑問をもち、国家に奉仕することにためらいを覚え、苦悩したと思います。また、あるところまで信仰のたたかいを担ったと思います。戦争はもとより十戒の第六戒【注4】に、いな十戒すべてに背く罪です。

 

しかし結論として教会は戦争の嵐の中にまき込まれ、じゅうぶんなしかたで抵抗することができなかったと言わなければなりません。聖書に「人間に従うよりも、神に従わなくてはなりません」【注5】とあります。戦時下の教会はこの御言葉に立ちおおせることができなかったのです。

 

わたしたちは、戦争の時代に教会がおちいった罪と弱さを正面から見据える目をもたなければなりません。そして、なぜ教会がキリストの主権に立ち得なかったのかを、歴史を検証する中でしっかり考え抜かなければなりません。

 

1984年から10年間ドイツの大統領を務めたリヒャルト・フォン・ヴァイツゼッカー【注6】は、ドイツ敗戦40周年にさいして「荒れ野の40年」と題する演説をなし、その中で「過去に目を閉ざす者は結局のところ現在においても盲目となります」との有名な言葉をのこしました。この演説は、戦争の罪をまっすぐに見つめています。罪を告白する人々は幸いです。キリストの赦しの恵みにあずかり、そこから新しい歴史を歩み出すことをゆるされるからです。

 

【注1】自分を捨てて国家に尽くすこと。

【注2】34の教派が参加しました。

【注3】古事記と聖書の中身は一致しており、皇国日本と聖書の言う神の国は同じであると主張し、キリスト教こそ日本の国体を最も鮮明に映し出すものであると訴え、戦争を聖戦として正当化しました。

【注4】「殺してはならない」。

【注5】使徒言行録5章29節。

【注6】1920~2015。

 


全権委任法に匹敵する緊急事態条項を通してしまったら、9条なんか死守しても何の意味もないよね

2015-05-11 15:17:17 | 憲法

※ つーか、全権委任法に匹敵する緊急事態条項を通してしまったら、9条なんか死守しても何の意味もないよね、マジで想田 和弘

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明日の自由を守る若手弁護士の会FBより

【人権制限や内閣の権限拡大…緊急事態条項優先って言いますが】

5月7日、衆議院の憲法審査会で、自民党の船田元議員が、緊急事態条項を優先して憲法改正を行う考えを示したと報道されています。
「大規模災害発生時などに、国会議員の任期が延長できることなどを憲法に規定しておくことは急務だ」
とおっしゃったとのこと。
http://www.asahi.com/articles/ASH57331FH57UTFK003.html

来年夏と言われている憲法改正の発議&国民投票で、
緊急事態条項の導入が争点になる可能性が高いということですね。

この「緊急事態条項」、今の憲法にはない制度です。
おおざっぱに言ってしまえば、戦争や災害などの緊急事態に、緊急事態だからということでいつもとは違うことをやってもいいよ、とあらかじめ憲法の縛りを緩めておきましょう、というもの。

船田議員が例えに挙げた国会議員の任期延長だけだったら、
「それくらいならいっか」
と思う人も多いかもしれません。
でも、衆議院の解散中に緊急の必要が生じたときは、参議院の緊急集会を開くことができるので(憲法54条2項、3項)、国会議員の任期延長もどこまで必要なのかなぁ、という議論はあります。

しかし、それだけではありません。
自民党憲法草案では、緊急事態では何人も国その他の公の機関の指示に従わなければならないとされていて、
要するに、緊急事態では人権を制約して国の言うとおりにしてもらいますよ、とされています。
どのような場合に、どのような人権が、どの程度制約されるのか、緊急事態が解消した後に制約された人権が保障されるのか等、具体的なことは全く明らかになっていません。
人権は最大限に尊重しますよー、と言っていますが、尊重した結果、人権を制限するわけですよね。今でも、人権があってもいろいろ制限されてますが(憲法13条で環境権が保障されていると考えられていても原発は止まらず、財産権が保障されていても被災者には十分な損害賠償がされていなかったり、特定秘密だと言って知る権利が侵害されたり…。)、それより明らかに弱くなるわけですよ。

また、緊急事態に内閣が国会の権限も持ちますよ、ということも自民党草案に書かれています。
法律をつくるときの侃侃諤諤の議論を経ずに、内閣の思うとおりにしようというわけですね。

このように、緊急事態条項は、内閣の権限を限りなく強めて、三権分立もすっとばして、人権の制限を可能とする、リスクあるものなんです。

緊急事態条項は、震災のときに必要だーと言われています。
しかし実は、被災5県(兵庫、新潟、岩手、福島、宮城)の弁護士会が反対の声明を出し、共同で記者会見をしています。
兵庫県弁護士会の声明→ http://www.hyogoben.or.jp/topics/iken/pdf/150410seimei.pdf
福島県弁護士会の声明→ http://www.f-bengoshikai.com/topics/t1/2194.html

被災地の弁護士会は、被災者支援のために、精力的に避難場所を回ったり、法律相談を受けたりして、ニーズをくみ取り、二重ローン問題の解消のための立法提言をするなどしてきました。被災者が困ったことは何だったのかを、現場で最も熟知しているといっても過言ではありません。
その被災地の弁護士会が反対しているということは、本当に緊急事態条項が被災者のための制度なのか、と思ってしまいますよね。

緊急事態にどういうことが許されるようになるかっていうのは、緊急事態条項をおいている国によってもさまざまです。
「緊急事態条項の創設については各党に異論が少ない」なんて言っている状況で本当にいいんでしょうか?

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2015年04月23日

会長声明 PDFファイル 災害対策を理由とする「国家緊急権」の創設に反対する会長声明

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東京新聞 こちら特捜部