まつや清の日記 マツキヨ通信

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浜岡裁判で活躍する阪上武さんの環境委員会傍聴記

2007年11月29日 | その他
 11月27日浜岡裁判で活躍する阪上武さんが、川田龍平参議院議員の再処理工場に関する質問を傍聴され、短くまとめてくれました。ご紹介させていただきます。

※※

みなさまへ

 本日午後,川田龍平議員が参議院環境委員会で六ヶ所再処理工場の問題で質問に
立ちました。これを傍聴してきました。傍聴にはサーファーのデビッド木下さん
はじめ20名を超える方がみえました。とてもいい質問でした。参議院のHPで
動画がみられると思います。最後の25分間です。以下,簡単な傍聴記です。                    阪上 武(福島老朽原発を考える会)

 川田さんはまず,先日11月5日に三陸の海を守る岩手の会のみなさんが,サー
ファーや首都圏や各地の方といっしょに提出した,三陸の海を放射能で汚染しな
いよう求める9万筆を超える署名について触れ,保安院,環境大臣,農水副大臣
にどのように受け止めているのかと質しました。保安院,環境大臣は,多くの不
安の声があることを認め,重く受け止めていると述べていました。農水副大臣は,
こわばった感じで年平均1ミリシーベルトを下回る。モニタリングをやっている
との官僚的な答弁を行っていました。

 続いて,通常の原発には放射能放出の濃度規制があるのに,六ヶ所再処理工場に
はないのはなぜかと質しました。保安院は,核種が多様だ,放射線審議会の答申
に従った,規則や告示でそうなっている。保安規定により管理目標値を設定すれ
ばよいことになっている…といった答弁。結局そうなっているからそうなんだと
いうだけで答えになっていません。川田議員は,今のでは答えになっていない。
安全協定でも,低レベル,高レベルの貯蔵施設については,原発の10分の1以
下の濃度規制があるのに,再処理施設にはない,とし,再度答弁を迫りました。
しかし保安院は,核種が多様で,全体の線量で規制していると同じ答弁を繰り返
すだけでした。川田議員は濃度規制の意義を説明し,濃度が濃かったり薄かった
りでは,サーファーも波に乗れないだろうといった話も挟みながら,原発には指
針で定められている線量目標値が再処理工場にはないとしたうえで,再度質問し
ました。保安院は結局答えることができませんでした。この濃度規制の問題が,
再処理工場のアキレス腱であることが,明らかになったと思います。

 先のやり取りの最後で,保安院は,放出放射能を年間22マイクロシーベルトに
抑えるとの数値を出しました。川田議員はそれを捕まえて,東通原発は3マイク
ロシーベルト,原発が3機並ぶ大飯原発でも6ミリシーベルトにしかならない,
しかも六ヶ所再処理工場では,放射性ヨウ素の放出量の計算に使う係数を東通原
発の半分の値にしている。それでも22マイクロシーベルトになるとし,原発と
比べても放射能汚染の度合が大きい,再処理工場の実態を明らかにしていました。

 次に川田議員は,三陸の漁師がホタテの養殖に用いる網を取り出して見せ,ここ
にホタテの稚貝がひっかかり,成長するんだと紹介。その稚貝はむつ湾から,津
軽暖流にのって三陸に流れてくると指摘。このことを知っているかと農水副大臣
に質しました。農水副大臣は,地元の漁師の間では常識のことと聞いていると答
弁。さすがは農水副大臣ともちあげた上で,これまでゼロだった海藻中のプルト
ニウムが再処理工場が動くと0.02ベクレル蓄積されるとの青森県のデータを
示し,たとえ少量でもプルトニウムが入った海藻を誰が買うのか,マーケットの
感覚はあるのかと迫りました。農水副大臣は答えられずに,事務方が1ミリシー
ベルトを十分に下回るとのお題目の答弁を行っていました。

 最後に,環境大臣に,規制と推進が一体となっている現状は問題だとし,環境省
が規制行政を行うよう求めました。