奈良市押上(おしあげ)町に鎮座するのが八坂神社。
手向山八幡宮の摂社で押上祇園社とも呼ばれている。
大正時代初めまでは牛を引き連れてお参りをしていたという祇園祭が行われている。
前夜の宵宮には子供狂言が奉納されている。
当地は「奈良きたまち」とも呼ばれる地域で押上、今小路、川久保、北半田東、中御門などの自治会が奉賛されている。
鳥居の西側は国道を挟んだ旧の参道。
ずっと遠くまで繋がっている。
かつてはその参道には夜店がずらりと並んでいた。
神社へ参拝するにはその道を通るのだが夜店に群がる人でごったがえしていたのでなかなか着かなかったと話す八幡宮の宮司。
それは子供のころだったそうだ。
20年も前ぐらいでも相当な夜店が並んでいたらしいが今は数店。
子供たちはそれでも夏の夜を楽しんでいる。
宮司の話では同社は元々中御門に鎮座していたという。
いつの時代か判らないが祇園祭は鉾も出ていたという。
その名残は笹鉾町となって町名に残された。
広大な地域で祭りをされていた当時は手掻(てがい)祇園会と呼ばれていたそうだ。
さて、今夜の宵宮といえば「若草こども狂言を育てる会」が奉納される子供狂言だ。
舞殿の脇には手向山八幡の転害会で奉られる2頭の獅子が見守っている。
先ほど神事を終えた宮司は「オハケ」を持って舞殿に上がった。
それは御神気(ごしんき)がのり遷ったもので、神さんを分霊した「オワケ」である。
「オハケ」は「オワケ」が訛ったのだろうと話す。
各地で見られる神さんの分霊を祭った仮の建物。
それはお仮屋と呼ぶことも多く、「オハケ」と呼称される。
生駒山口神社では「オハキツキ」と呼ばれる祭事がある。
おそらく「オワケ」が転じて「オハキ」になったものと推定される。
それはともかく蝋燭を献じた参拝者は舞殿の前に立ち手を合わせ、宮司から「オハケ」を翳してもらう。
ありがたくそれを頂戴するお参りである。
それは狂言が始まる僅かな時間に行われる。
そして始まった子供の狂言。
今夜は「いろは」と「しびり」の2曲と小謡の「土車」を披露された。
5年前から若草公民館で活動をしている幼稚園から大学生までの「狂言いろは」グループと育てる会。
地区でも好評になったことから神社に奉納されたのが3年前。
奉納されたのは小学生あたりまでだ。
「関西から元気を発信し、これからも狂言を続けて伝統行事にしたい」と大蔵流狂言講師も「ななつのこ」を披露された。
今年は例年よりも参拝が増えたと喜ばれる関係者。
こうして地元はさらに盛りあがっていくことだろう。
(H23. 7.13 EOS40D撮影)
手向山八幡宮の摂社で押上祇園社とも呼ばれている。
大正時代初めまでは牛を引き連れてお参りをしていたという祇園祭が行われている。
前夜の宵宮には子供狂言が奉納されている。
当地は「奈良きたまち」とも呼ばれる地域で押上、今小路、川久保、北半田東、中御門などの自治会が奉賛されている。
鳥居の西側は国道を挟んだ旧の参道。
ずっと遠くまで繋がっている。
かつてはその参道には夜店がずらりと並んでいた。
神社へ参拝するにはその道を通るのだが夜店に群がる人でごったがえしていたのでなかなか着かなかったと話す八幡宮の宮司。
それは子供のころだったそうだ。
20年も前ぐらいでも相当な夜店が並んでいたらしいが今は数店。
子供たちはそれでも夏の夜を楽しんでいる。
宮司の話では同社は元々中御門に鎮座していたという。
いつの時代か判らないが祇園祭は鉾も出ていたという。
その名残は笹鉾町となって町名に残された。
広大な地域で祭りをされていた当時は手掻(てがい)祇園会と呼ばれていたそうだ。
さて、今夜の宵宮といえば「若草こども狂言を育てる会」が奉納される子供狂言だ。
舞殿の脇には手向山八幡の転害会で奉られる2頭の獅子が見守っている。
先ほど神事を終えた宮司は「オハケ」を持って舞殿に上がった。
それは御神気(ごしんき)がのり遷ったもので、神さんを分霊した「オワケ」である。
「オハケ」は「オワケ」が訛ったのだろうと話す。
各地で見られる神さんの分霊を祭った仮の建物。
それはお仮屋と呼ぶことも多く、「オハケ」と呼称される。
生駒山口神社では「オハキツキ」と呼ばれる祭事がある。
おそらく「オワケ」が転じて「オハキ」になったものと推定される。
それはともかく蝋燭を献じた参拝者は舞殿の前に立ち手を合わせ、宮司から「オハケ」を翳してもらう。
ありがたくそれを頂戴するお参りである。
それは狂言が始まる僅かな時間に行われる。
そして始まった子供の狂言。
今夜は「いろは」と「しびり」の2曲と小謡の「土車」を披露された。
5年前から若草公民館で活動をしている幼稚園から大学生までの「狂言いろは」グループと育てる会。
地区でも好評になったことから神社に奉納されたのが3年前。
奉納されたのは小学生あたりまでだ。
「関西から元気を発信し、これからも狂言を続けて伝統行事にしたい」と大蔵流狂言講師も「ななつのこ」を披露された。
今年は例年よりも参拝が増えたと喜ばれる関係者。
こうして地元はさらに盛りあがっていくことだろう。
(H23. 7.13 EOS40D撮影)