マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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丹後庄のこと

2011年08月13日 07時20分42秒 | 大和郡山市へ
丹後庄は興福寺の荘園だった。

その昔、平城京を造るにあたり丹後の地からやって来たからその名がついたとされる。

集落はかつて東のほうにあった。

そこは川が溢れて水に浸かった。

堤防を築きあげていつしか高いほうに逃げてきたという。

小原池に浮かぶ神社はその池を掘り上げてその土を盛り上げたと話す宮守たち。

かつての土地には「ミヤノシタ」と呼ぶ小字や「ドノミヤ」もある。

それが昔のことを示す字名。

「ミヤノシタ」は「宮ノ下」で「ドノミヤ」はおそらく「堂の宮」であろう。

杉町に住むMさんは「ドノアト(堂ノ跡であろう)」が移住前の地だったといい、丹後庄のMさんの奥さんは「ミヤノシタ」が元の家だったと話す。

柳澤家臣で代官を勤めていたといい、その辺りには城之内、城屋敷や寺屋敷の字名も見られる。

寺小屋の地名もあったといって明治生まれだった祖母はそこで習ったという。

「城」や「寺」は集落ごと移住したのであろう。

当時の寺であったとされる松本寺(しょうほんじ)は廃寺となったが集会所で本尊が安置されているようだ。

そこでは8月10日の十日盆が行われている。

筒井氏の家中の重臣である衆徒、丹後庄覚英の館跡が村の東北に「庄屋畑」と称して残っている。

周囲に堀田とよばれる水田があり、中世土豪の館跡であるそうだ。

興味がわいたのは大とんどだ。

稲刈りを終えたころに小原池の水を抜く。

池のすべてを浚えるので養殖している金魚も引き上げる。

そうすれば池の底が見えるという。

その池内がとんど場。

小原池の東側だ。

底から見上げるとんどの火はどのような景観を映し出すのであろう。

珍しい場所で行われる大とんどは1月31日の夕方に行われる。

(H23. 1. 3 EOS40D撮影)