マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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小南神社祇園祭の御湯

2011年08月14日 07時09分25秒 | 大和郡山市へ
大和郡山市内にある旧村地域の神社では祇園祭や夏祭りで巫女による御湯神事が数多く見られる。

それは秋祭りにもあるがほとんどが6月から7月にかけて行われる夏の祭りである。

小南町の小南神社の他、椎木町の杵築神社、馬司町の杵築神社、新木町の新城神社、池之内町の八幡神社、天井町の天井八幡宮、杉町の八幡神社、満願寺町の古田神社、本庄町の熊野・八幡神社、宮堂町の八王子神社が知られているがまだまだありそうだ。

丹後庄町の八雲神社と同様に素盞嗚命を祀る小南町の小南神社でも祇園祭が行われている。

祇園精舎の守護神こと牛頭天王は素盞嗚命と同一視されてきた。

その牛頭天王さんを祀る神社では夏の疫病退散を願って祇園祭が行われているのだ。

さて、小南神社の祇園祭では毎年7月15日であって巫女に営まれている。

宮守を勤めているのは六人衆。

六老から入って一老まで一年ずつ繰り上がり、6年間は神社を守り勤める人たちだ。

神饌の御供や御湯の座を設えて氏子たちを待つ。

六人衆、自治会長や村人代表は拝殿に座って始まった祇園祭。

宮司の祝詞奏上に続いて御湯が始まった。

神事を見守る村人たちは拝殿で正座をしている。

厳かな神事だけにいつもそうされている。



拝殿前には数人のご婦人たちも参拝に来られた。

静かにそれを拝観する。

宮司の神事を終えたのを見届けた参拝者は帰ろうとした。

「大切な御湯を見なくてどうして帰る。夏病いを退散させるありがたい湯をかぶっていかねば」と宮司から咎められた参拝者は立ち止った。

神社行事を行うのは男性たち。

女性はそれを見てはならないと思ったのであろう。

それはともかく御湯の神事は神座となるのであろうゴザに座った巫女。

寄進の刻銘は見られないがそうとう古いお釜。

そこに紙片を投入されて始まった。

酒、塩、洗い米を入れて御幣で釜内を掻き混ぜる。

釜を清めたのであろう。

鈴と御幣を手にして四方を回る。

そして2本の笹を釜に入れて何度かシャバシャバする。



祓い清める御湯の作法だ。

本殿前で舞ったあとは宮司も参拝者も一人一人に「身体健勝、祓いたまえ、清めたまえ」。



まさにオハライの夏祭りである。

それを終えていつもの直会が始まった。

お供えのコンブ、スルメ、ジャコにモチは3個。

夏の果物のブドウもある。

それを肴にお神酒をよばれる。

(H23. 7.15 EOS40D撮影)