マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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馬司町南の地蔵さんの地蔵盆

2011年08月24日 06時38分33秒 | 大和郡山市へ
大和郡山市の馬司町では北と南の地蔵さんが存在しており南は7月23日、は8月24日に地蔵盆が行われている。

いずれも杵築神社の長老十人衆が地蔵さんの前に座って参拝者を待つ。

「死ぬまで現役で勤めるんや」という長老たちの年齢は平均年齢80歳を超えているのでないだろうか。

日に焼けたお顔はいぶし銀の色をみせる。

子供の頃のことだが、と前置きをされて語ったのが筒井町と馬司町の境界で石投げ合戦。

子供どうしのケンカであったが、実際は怪我をせんような他愛ない遊びであった。

年齢からいえば戦前のようだった石投げ遊び。

今では「そんなことはでけんなぁ」と口を揃えて話す。

ところでその北の地蔵さんは夜泣きの絵馬もあって子供を守る。

南は村の安全を守っているのだという。

昔の地蔵盆は8月だったと話す十人衆。

明治になって新暦が導入されてからは7月にしている南の地蔵盆。

村の中心部を通る道には提灯を掲げている。

その道は筒井から天理へ抜ける旧街道。

今でも往来が激しく車や単車が通っていく。

その街道を歩いて参拝者が次々とやってきた。

筒井から住職が来るまでの時間帯は御供を供えるようだ。

新興住宅に住むIさんの話によれば車が突っ込んで地蔵さんの祠が壊れてしまってコンクリート製に建て替えられたそうだ。

ぶつけられても地蔵さんは村の安全を守った。

そんなありがたい地蔵さんに手を合わせて村や家の安穏を祈っているのだろう。

お下がりをいただいて帰途につく。

浴衣姿の女児も稀に見られる馬司の地蔵盆。

赤ちゃんを抱いた女性もやってきた。

付いてきたのはそのおじいちゃん。

地蔵盆で待っていたのは83歳のおおじいちゃんだった。

孫を抱き上げて二コリと目を細めた。

(H23. 7.23 EOS40D撮影)