マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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菅生おかげ踊りの練習

2011年08月21日 07時33分53秒 | 山添村へ
8月の盆踊りに披露される菅生おかげ踊り。

平成4年に県の無形民俗文化財に指定されている。

8月の盆踊りに披露される団体は菅生おかげ踊り保存会。

4年に一度のおかげ参りの際にも披露されていたが、高齢になったこともあり、たいそうやからと云って現在は中断されている。

文政13年(1830)に流行った集団お伊勢参り。

いわゆるおかげ踊りに伴って生まれたとされる。

山間、盆地部でもお伊勢参りする伊勢講がたくさんあったようだ。

行き先々の村々で度々そのことを聞く。

それらのほとんどは消滅しているが菅生では伊勢代参の人を決めて伊勢神宮に参っている。

それは毎年ではなく4年に一度の4月初旬であった。

参拝の翌日は講家(宿)に集まって祝宴をしていた。

その宴の最中に踊り込みを披露して酒や会食のもてなしを受けた。

そのときの踊りがおかげ踊りであった。

お伊勢参りや住吉踊りもされていたという。

「アーヨイサー お陰阿波から ヨイセ、コラセー  踊りはー河内 アーヨーイセー コラセー せんぎょ(ナヤー) 初めはヨイリャ 大和から ササヤートコ セイノヨイヤナ コリャ アレワイサッサ コレワイサッサ ササナンデモーセー」の1番歌に続いて踊りを舞う。

シナイを右手でもって左手で支え、振り回すように踊る。

4番の囃子を終えたときはシナイを扇に持ち替える。

シナイは背中に挿すので空いた両手で持った二枚の扇で舞い踊る。

アレワイサー、コレワイサで扇を合わせる。

優雅な踊りの1曲である。

およそ20人の保存会はほとんどが婦人たち。

1名だけが男性で太鼓打ちをする。

この日の夜は菅生集会センターで集まって踊りを練習する。

11月には京都の久御山(くみやま)町中央公民館で行われる伝統芸能大会で出演されるので熱がはいった練習だ。

意見交換されてそのときに踊られる順をおかげ踊り、伊勢参り、住吉踊りに決められた。

2人の謡いと太鼓打ちの調子に合わせて舞い踊る。

ドン、ドン、ドンドンドン。

それはチャチャチャンというような文字では表現できない独特なリズムで打つ太鼓の音色で住吉踊りを踊る。

こうして3曲の踊りは夜遅くまで何回も続けられ、8月初旬にも練習される。

その場は十二社神社の参籠に移され衣装も本番同様にするらしい。

お伊勢参りに行くのは村の男たち。

残された婦人たちがこうして祝いの踊りをしていたのであろう。

昔も今も変わらずに・・・。

(H23. 7.22 EOS40D撮影)