マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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持ち込んだ西洋文化は商売のネタ

2020年04月22日 10時02分19秒 | 民俗あれこれ(売り場の民俗歳時記編)
この時季になれば鬱陶しい状態になる。

スーパー、コンビニエンスストア、百均売り場にケーキ屋さんにまで溢れるカボチャを見る。

西洋文化のカボチャはデカカボチャ。

決して食べ物ではない飾り物のデカカボチャが食料品売り場に並ぶ。

黒いテープを貼って買い欲を促がす商法。

いつからこんなことをするようになったのか。

日本の民俗に、関西地方のあちらこちらにされている「月見どろぼう」の習俗がある。

江戸時代(※以前の可能性もある)から続く日本の伝統文化。

これこそ日本の民俗といえる習俗であるが、報道したテレビが一様に伝える表現が、「これって日本版ハロウインですね」と・・。

アナウンサーはもちろん、コメンテーターから、行事をしていた子どもの親までが口にする「日本版ハロウイン」。

えっ、日本版ハロウインって、おかしくないですか。

そもそも江戸時代、いやもっともっと昔からあった日本の民俗(※例えば月見どろぼうのような)に対して、「日本版ハロウイン」の表現は馴染まない。

「ハロウイン」そのものが西洋民俗である。

知られて何年になる。少なくとも、たかだか十数年前。

商売利用され出したのはごくごく数年前。

クリスマスにバレンタインデーもしかり、である。

ハロウインは収穫祭でもあるが、本質は「キリスト教の諸聖人に祈りを捧げる祝日“万聖節”の前夜祭として行われるヨーロッパ発祥の祭り」。

また、「先祖の霊を迎えるとともに悪霊を追い払う行事」である。

一方、「月見どろぼう」の習俗は、「主に旧暦の8月15日にあたる中秋の名月、つまり十五夜の日に、月に見立てた芋や月見団子(昨今は月見団子と称して月見餅をそういう地域もあるが・・)お月に供える。収穫に感謝(※だから芋である)し、お月さんを愛でる習俗に、子どもたちは供えた芋、団子、餅(※昨今はお菓子に移った地区が多い)を、この日に限って盗っていいよ、と地区、お家の許しを得て盗んでいく習俗」である。

「月見どろぼう」とまったく異なる「ハロウイン」は西洋文化であり、主旨・時季など、まったく異なるもの。

テレビ、新聞などで、日本版ハロウイン表現がまかり通っている現状に、困惑している。

ちなみに「月見どろぼう」の他、伝統的日本民俗行事の「ハタアメもらい」に「豆もらい」、「亥の子」までも、とにかく子どもたちがもらいにくる映像をとらえたて、「ハロウィンっやっ」ていう人がとにかく多くなっている時代に、こと危惧を感じる。

(H30.10.25 SB932SH撮影)