小田原周辺のマイナースポットや些細な出来事を少しずつ
小田原の端々



昨年10月に2013年3月末をもって箱根登山ベルジュが閉館すると報道があった。閉館の理由は売上高の減少と老朽化のためで、半世紀以上小田原駅前の顔であった建物は今月末にその幕を閉じる。ベルジュの前身の箱根登山デパートが開業したのは1959年10月のこと。小田原初のデパートとして華々しくスタートを切ったが、昭和40年代に入り駅周辺にニチイや丸井、長崎屋などが進出し競争が激化。さらに昭和51年に小田地下が開業したことにより売り上げが伸び悩み昭和54年4月に一旦休業。改装工事後の昭和55年10月29日に名称をベルジュに変えて再オープンした。ベルジュは地下1階地上7階建てで、駅周辺の商業施設の中では高層の建物だが奥行きは20mほど。そのため売り場面積の狭さがネックとなり周辺のデパートとの競争となると不利だったようである。箱根登山デパートからベルジュへ名称が変わったのは、改装に伴い直営デパートをやめて全店テナント方式にしたため。ベルジュはフランス語で乙女座の意で、現在でも一階のシャッターは星座をモチーフにしたペイントとなっている。箱根登山デパート当時は、直営デパートと洋品店など16店が入居。ベルジュに改装直後は26店のテナントで再スタートし、一時は30店以上が入居していたが、現在は9店ほど。かなり前に無くなってしまったがラーメンのおいでやすや壁の穴は色々と思い出深い。そのベルジュの3階では現在、昭和時代の駅周辺や箱根登山デパートの写真展が開催されている。先日写真展に出かけがてら館内をブラブラした。ベルジュはエレベータを使うことがほとんどだったので、建物西側に階段があることすら知らなかった。床のタイル模様がどことなく古めかしくて昭和を感じさせる。階段の窓からは駅前通りが見下ろせる。意外と眺望が良かったので天気が良い日にまた写真を撮りに立ち寄りたい。ベルジュの建物は物心ついたときからずっと小田原駅前にあるので、無くなった後の風景が想像できない。来年の今頃は小田原駅前はどのような風景になっているのだろう。

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