小田原周辺のマイナースポットや些細な出来事を少しずつ
小田原の端々



小田原市南町の小田原城内高校跡地は今年の4月から国際医療福祉大学の校舎が建設される予定だが、それに先立ち埋蔵文化財の発掘調査が行われている。先日、発掘調査見学会が開催されたので出かけた。小田原城内高校跡地で開催された発掘調査見学会は3月21日の午前10時から12時までの2時間ほどの時間に行われた。土曜の午前中は通常ランニングに出かけているので有難くない時間帯での開催だったがこの日のランニングのゴールを小田原城にしたので午前11時過ぎに会場に到着。かつて校舎や中庭などがあった中段の敷地は体育館と部活棟を残すのみで校舎跡地が発掘調査現場となっている。体育館を背に東側を撮影。発掘調査現場へは入口から体育館の脇を通り北側から下へと降りる。結構掘り下げられていて深さは平均5mくらいだろうか。かつて職員室があった校舎や中庭部分にかけての場所には大小様々な丸い穴が開いている。縄文時代中期の土坑墓群と推定される遺構との説明だった。穴は人が横を向いて身体を折り曲げて入れるくらいの大きさと深さ。穴の底には副葬品とみられる土器が出土している。縄文時代の地層は関東ローム層で酸性のため骨は融けてしまいほとんど出土しないとのこと。今回の発掘調査は主に縄文時代の地層を中心に行われたので縄文土器や石器などが多く出土していた。大きな縄文土器は破損していることが多く、その理由として地震による地藏のずれなどが原因と考えられている。天神山は場所によっては地盤が弱い場所があるようで関東大震災時にも大きな被害が出ている。今から4000年近く前の遺跡を見ることが出来てなかなか興味深い見学会だった。発掘調査はまもなく終了して4月からは大学施設の建設が始まる。この場所では今後どのように歴史が刻まれてゆくのだろう。

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