フェンネル氏の奇妙な生活

気付いた世界の中の小さな出来事と水彩画と時たま油絵と思いついたことを爺さんが一人語りいたします。

首切り地蔵が龍馬の運命を決めた

2010-06-04 00:31:35 | Weblog
この寺の住職「知徳和尚」が勤王の志士だった関係で寺は会合の場であったということだ。みんな若いから酒盛りをしてる時に腕自慢の話となっておおげさな話が飛び交ったんだろう。和尚が言ったか誰が言ったか知らないがこの寺にある地蔵の首が見事刎ねられるかということになって龍馬がよった勢いで木刀で首を飛ばしたんだ。


坂本家というのはそれは人を人の尊厳を大切にした一族であったからそのあと酔いも醒めてから罰当たりなことをしたと悔いて地蔵の首を元に戻しその後ろに松ノ木を植えて供養したとのことだが松は枯れて龍馬の死後も友人達によって植え替えつづいて今、4代目だそうだ。だけどこの地蔵さんが「延命地蔵」だったから、その時、龍馬の命運は決まったとの言い伝えがこの寺に残っている。その松の後ろには、知徳和尚の墓があった。


地蔵の前に立って頭に触ると今はしっかりとくっつけられていた。龍馬がここに立ったんだと思うと何だかロマンを感じた。境内には龍馬も見ただろう大きな槙の木があって往時を偲ばせる。龍馬の代わりに非礼を詫び地蔵に手を合わせ和尚の墓を参り寺を後にした。「お寺の犬がおらんなったと」近所の人たちが話していた。地蔵さんはまだ怒っているのかなと思った。
コメント
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