フェンネル氏の奇妙な生活

気付いた世界の中の小さな出来事と水彩画と時たま油絵と思いついたことを爺さんが一人語りいたします。

ヘッドライト

2014-12-13 08:18:56 | Weblog
図書館から借りてきた川本三郎さんの「美女ありき」という本を見ていると往年の映画女優のことについての本なのだが昔の女優さんて本当にきれいだと思った。当たり前のことかもしれないがきれいじゃなけりゃ女優になれなかった時代だから。この本は外国女優についてだけどデボラカーの気品に満ちた美しさなんていまの整形かリフトアップかしらないけど工業製品みたいな女優み見せてあげたいな。とブツブツ。
その中で映画のタイトルの秀逸さにも(もちろん日本語のタイトルだけど)驚かされる。
昔は日本人の情緒に訴えるように工夫されてたんだね。映画の内容を咀嚼して日本人の心の琴線に触れるように作り出されていたんだと想像。多分今の映画なんか原題見てラッシュ見て簡単に適当に作られてるからやたら横文字やカタカナが多いんだろうと想像。
その中で目を引いたのがジャンギャバンとフランソワアズヌールの「ヘッドライト」。
トラックの行き交う道路沿いにぽつんと建つカフェのウエイトレスと妻子あるトラック運転手との恋の行方の映画なのだが原題は「Des gens sans importance」直訳すれば「気にも留められない人々」ととでもいうのだろうか市井の片隅でひっそりと生きる人々とでもいうのだろかこの映画に「ヘッドライト」ってタイトル、抜群だと思わないかい。この一言ですっと映画の中にはいっていってしまうような魔力があるような。ヘッドライトを点けたトラックが集まってくる道路沿いのカフェ。まるでその中が見えるようだ。ずっと昔テレビでこの映画見た記憶がある。アズヌールがとても魅力的だったことを覚えている。それでも原題は初めて知ったからタイトルのつけ方に当時の映画人の心意気を感じて脱帽「いやぁ映画っていいもんですね」と水野さんも言ってたけど'50年から'60年の映画には味があるものが多いね。
コメント
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