フェンネル氏の奇妙な生活

気付いた世界の中の小さな出来事と水彩画と時たま油絵と思いついたことを爺さんが一人語りいたします。

du temps perdu

2021-06-29 08:21:23 | Weblog
失われた時を求めているわけじゃないけどヘミングウェイ、ランボー、プルーストそして伊丹十三、僕らの時代を彩った心くすぐる男たちへの哀惜の情というか懐かしさを込めたエッセーも素晴らしい「中西 繁」さんの画集「哀愁の巴里Ⅲ」を女友達からもらった。中西さんの絵の中でもボクが特に好きな画集だ。何故彼女が画集を持ってたかと言うと高知で何年か前に開いた「中西繁展」の開催メンバーの一人だったからだとか。その時買い求めたものを貧乏な僕に進呈してくれたんだ。持つべきものは友達だね。中西さんの絵は、見ているとスッと絵の中に自分がいるのが分かる。パリの町を傘さして歩いているような気になる。その感覚がとても好きだ。同じ時代を共有した者だけが分かるちょっとしたシャレ心や色使い。画集を見ながらほくそ笑んでしまう。実際に中西さんと話したのは何年前だろう?3年位前かな?高知の星が丘アートヴィレッジで個展をしてたときだったね。穏やかな優しそうな人でねスマホで見せた僕の絵を褒めてくれたっけ。今ではいい思い出だ。

哀愁の巴里は3巻あるということだが
1巻は絶版となってるらしい
2巻はどうなんだろう
ウエブサイトで見られるように
してくれているというけど
まだいってない
絵を描いてる時は
夢中になるでしょと
少年のような瞳を輝かせて
僕に言ってくれた
そうなんだね
この少年の魂が彼を
突き動かしてるんだ
キャッチボールをするみたいに
とりやすいボールを
次々と投げてくれるけど
その一球一球が
重かった
しばらくは彼の絵の中の
住人でいよう
パリの街を彷徨う
通行人でもいいかな
心地いいから
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする