ふぶきの部屋

皇室問題を中心に、政治から宝塚まで。
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ロジェ

2010-08-22 20:45:53 | 宝塚コラム

 またパソコンが落ちまして。結局全部インストールしなおしで。

一日かかって。また検索と単語登録から始めるのーー

ジェンヌの名前は大変なんですよーー

 

 昨日、姫と雪組のVISA貸切に行って来たのですが、二階ロビーで

次回の花組のVISA貸切公演9月18日分を販売してました

こんな事、初めてじゃないの?

「色々ありまして」とVISAさんはおっしゃってましたが。

でも現金じゃないと買えないので、あまり買ってる人は・・・・・

宝塚も末期かあ。

 

 ロジェ 

 

 私は夢を見ていたの

今回の雪を見て気がついた事。それは前作まで私が見ていた雪組は

幻・・夢・・・桃源郷をみてたつもりがいきなり起こされて、そこにあったのは

荒涼とした大地だった・・・という事でしょうか 気づきたくなかった現実。

水夏希がトップスターになって3年?4年?

落下傘とはいえないまでも、雪の御曹司だった貴城けいとトレードするような

形での就任には個人的に面白くなかったんですよね。

でも、実際「エリザベート」が始まってからは「昔からいる人」になりきって

いたし、アクア5の活動でよりリーダーシップを発揮し、雪組を5組中

「最も充実した組」とならしめた功績は大きいと思っていました

ゆえに、そういう水夏希のさよなら公演なら、どれ程スタッフも組子も

思い入れのある作品を作り出し、全員一丸となって水を送り出そうという

気概が見えるかなtご期待しました。

そうされても全然おかしくないトップスター水夏希は存在していたのですし。

ところが

出てきた芝居もショーも驚く程さっぱりしてて、ラストにとってつけたような

合唱があるくらいの・・・なんていうか期待外れだったんですよね

例えば

ソロモンの指輪」・・・山科愛と柊巴が退団するというので、銀橋を二人で

渡るシーンがあり、その時はファンじゃなくても涙・涙・・

仮面のメサイア」・・・白羽ゆりの退団という事でレディ・ゾロをふられ、

目一杯のキスシーンとフィナーレの「天国への階段」のダンスはファンじゃ

なくても涙・涙・・・こういう送られ方をすれば本望だよねーって。

ソルフェリーノの夜明け」「カルネヴァーレ睡夢」・・いわずもがなの

全体的にさよなら仕様でファンは号泣。

水がトップになってからの作品は決して秀作揃いとは言えなかったと思います。

でも作者のあて書きがいいっていうか、役柄の中に個人的な親密度が

わかるような台詞やシーンが満載で、ヅカファンとしては非常に嬉しかったし

安心してみてたのですよ。

だからきっと水君の時は、そんな強烈なリーダーシップを発揮している

トップの退団で、しかも次は生え抜きでアクア5出身の音月だから

二人の送り送られの号泣シーンを見る事が出来るのかなと思っていたらば

は?雪組ってこんなによそよそしい組だったんですか?

前作までの異常に高かったテンションはどこに行った

見ててあまりに眠いので下を向いて台詞だけ聞いていましたよ

だって数分間そうしてたって場面が変わるわけじゃないし、立ち位置が

変わるわけでもないんだもん

 

 正塚イズム

私、正塚先生の大昔の名作を生で見ているので大仰な事は言えないの

ですが、「正塚イズム」なるものが存在しているようです。

すなわち

 平和主義

 悪役の不存在

 人間愛は憎しみを超える・・・死なない

例えば「追憶のバルセロナ」のような

国があって人がいるのか、人がいて国が成立するのか」などという

非常に難しいテーマを元に、でも結果的に敵は死なずに終わる物語。

その点からいけば「マリポーサの花」は珍しく過激な内容で、特に

エスコバルを死なせてしまった事に驚いたものです

戦いでさえいといはしない」なんて歌詞をあの先生が書いたのかーーって。

正塚先生は芝居の中になかなか「愛してる」とか「好き」とかいう

台詞を入れないし、それよりも男の生き様みたいな物を重視していたのは

確かでしょう。

でも、彼が最初に担当したさよなら公演は

秘蔵っ子の久世星佳だったので、彼らしさを多少抑えて「バロンの末裔

を作り上げたのですね。

名場面になった「雉うちの丘」は風花舞とのがっちりシーンがとてもよかった

ですし、また絵麻緒ゆうのさよなら公演になった「追憶のバルセロナ」も

珍しいコスチュームプレイで、絵麻緒と成瀬こうきのがっちりシーンが

よかったなあと。

要するに正塚作品って出来がよかった「CROSSROAD」(和央&樹里)

カナリヤ」(匠&大鳥)「マリポーサの花」(水&彩吹)

も全部トップコンビかあるいはトップと二番手が長いシーンを担当し、

役柄以上の親密度を見せてくれた時に「名作」となりえるようです。

しかし今回は・・・・

 

 ストーリー構成について

 主人公ロジェは小さい頃に両親と妹を殺された

 殺した相手はどうやら戦犯に関わりがあるらしい

 戦犯を逃がす組織の調査を行っていたレア・コーエンや警察の

  リオンの手を借りて、とうとう敵を見つける

 しかし、結果的に復讐せず

 

ロジェを両親の代わりに育てて来たのはロジェの家に仕えていたバシュレ。

ロジェは彼にだけは心を許し、色々話すけど他の人には言わない。

特に、相棒になった筈のリオンにはほとんど事情を語らないので

リオンはしこく「何で」「どうして」「わからない」をしつこいくらい繰り返す。

知り合った調査員・レアともほとんど心の交流もなく友達にもならないくらいの

関係・・・

20年も追い続けて殺す事だけを望んでいたシュミットに銃を向けるものの

「殺すつもりはなかった。ただ食べ物が欲しかっただけなんだ

と告白され、さらにバシュレを助けて貰って、復讐はなし

(そういえば緒月が出てこないなあと思ったら最後数分だよ・・・)

次期二番手の早霧は殺し屋だし・・・

 

リオンは最初から最後までロジェに振り回されて終わっただけ。

別にこの事件が終わったからって戦犯を逃がす組織がなくなった訳

ではなく、むしろ、捜査はこれからじゃないか?と思うのに、ロジェは

銀橋を渡ってみんなに合唱で送られてさよなら・・・

水と音月二人の「萌え」シーンの一つもなく、一緒に退団する愛原実花

も見せ場の一つもあるわけじゃなく。

せめて「二人だけが悪」の「麻路&白城」のタンゴシーンに匹敵するような

ものが欲しかったと思います

 

延々と孤独で他人に心を開かずスタンドプレイを続ける水夏希と

それを追いかけて「何でだよ」「どうしたんだよ」ばっかりの音月と

その気持ちわかるかも」程度の感情しか見せない愛原を見て

楽しいと思いますか?

「仮面のメサイア」みたいに勧善懲悪がいいとは思いません。

ナチ収容所のドクターだったシュミットが脱走して、食べ物に困り入り

込んだ屋敷にたまたまいたのがロジェの両親と妹だった

でも、だからって殺すかなあ 妹まで。何でロジェは助かったの?

とか素朴な疑問が湧いてきたし。

ロジェがシュミットを許す場面も別に感動的じゃないし

結果的に睡魔に勝てず、ずっと下を向いて目をつぶって台詞を聞いて

いたのですが。

ラストのお別れシーンもとってつけたようであざとさばかり目立つし。

これがお休みなしで歌劇団に尽くしてきた水夏希へのはなむけなのか?

あんまりじゃないの、正塚先生。

あんまりじゃないの、歌劇団

 

 

 

 

 

 

 

 

コメント (2)
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