ふぶきの部屋

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エリザベート千秋楽ライブビューイング

2018-11-19 07:00:00 | 宝塚コラム

見てきましたーー生の舞台観劇は1度しかないのに大きな事を言わせて頂ければ、トップコンビは役柄が全くに似合ってないのによく頑張ったなという感じです。

珠城りょうは東京公演始まった頃に比べると音程のずれがなくなって来てましたし、フランツ・ヨーゼフの美弥るりかも本調子ではないもののやりきった感があり、さらに月城かなとは一人で生き生きと舞台の中で動いておりました。

何でトップコンビに合わないかというと、珠城も愛希も孤独感とは無縁の顔つきをしてるというか、ゆえに死だの愛だのって仰々しくなくていいって話ですね。どうしても珠城りょうのトートを見ると頭のなかに麻路さきが浮かんできて「動きが違う」とか文句を付けたくなるんですけど、最初に見た時のように、やっぱり歌と振りで精一杯でトートの世界観を持つまではいかなかったろうと思います。

愛希れいかもまた孤独感とは縁遠いめちゃプラス思考に見えて、特に彼女の場合は最初から終わりまでフォルテで行くので、姑にいじめられたくらいで落ち込んだり、自殺を考えたりはしないだろうと思えちゃうことなんですよね。だからこそ、今まで月組の「女帝」でいられたわけですから。

美弥るりかのフランツはこれぞフランツって感じですが、年齢を重ねてからのおひげの線が見えちゃっていたのが残念です。

それにしても美形ぞろいの黒天使たちで、彼らが一番「エリザベート」の世界観を忠実に表現していたのかもしれませんね。フィナーレはまるで「ダンスの月組」になってました。

それと生で見た時は気づかなかったけどあちこちに叶羽時がいて、一体一人で何役やってるんだろう。

ちゃぴ様のサヨナラショーもシンプルですごくよかったですし、眼福です。

そうそう組長の初舞台から私は見てたのか・・・真琴つばさのさよならの話まで出て懐かしくてしょうがなかったです(真っ赤な薔薇の花束が似合ってたよね)そんな昔を知ってる自分が妙に歳を取った気がして。宝塚って罪だわ。

スマホに入って来る色々なヅカネタとか感想などでわりと話題になっていたのが暁千星と風間柚乃で、どっちがいいとか悪いとか、ちょっと暁には分が悪いなと思っているんですが、せっかくなので千秋楽でみた暁千星について語りたいです。

彼女の新人公演に関してはスカイステージで見ただけなんですけど、東京で随分変わったなと思いました。元々コスチュームが似合う質であるのは勿論、歌のうまさは折り紙つき、だけどトップスターにはない「死」をちゃんとまとっていたというところがすごいです。

新人公演のトートというのは若さあふれる色気をどこまで発揮できるかが評価の対象であると思うのですが、そういう意味では歴代の新人公演主役にひけをとらないオーラをまとっていました。また、彼女の欠点である「演技力」に関してですが、独自の解釈をもって成長したと思います。

今回、ルドルフは歴代でもっとも「ヘタレ皇太子」と言われています。風間柚乃のルドルフがきちんと国の将来を考えている、いかにも王族らしい皇太子なのに比べ、暁千星の場合は童顔ゆえ、いい歳してるわりには回りに翻弄されすぎという評価ですね。でも私はそういうルドルフがあってもいいと思うんです。

タイプとしては絵麻緒ゆうに似ていますけど、暁千星の場合はさらい顔が幼く見えるし、何よりエルマー達に担がれて仕方なくリーダーをやってるみたいな部分があり、それゆえに挫折した時のショックが大きくて・・・という解釈、これはありだと思うんです。

♪ ママの帰り いつも待ちわびてた 二人きり話がしたくて

僕達は似たもの同士だ この世界で安らげるいどころがないよ ♪

この時のルドルフの表情が、まさに暁独特の孤独感というか、本当に「ママ」しか理解者がいないのだと言ってる感じがして胸がきゅんとなりました。

よく我が家の姫がいうのですが「アリちゃんは美弥るりとチャピ様の血を引いているように見える」と・・でも本当にそう見えます。

母と妻の間で翻弄される父親そっくりのルドルフ、でも皇帝はまだ立場があるけどルドルフは育ち方がそもそも孤独だったわけですからね。

「死にたいのか」と言われ、黒天使たちに翻弄されるシーンも、本当に怯えている感じがしてそれがまた今までのルドルフにはなかったものです。

ただ・・・どうしてもピストル自殺したあと、トートに抱かれる姿勢が悪くて嫌ですね。これはトートの方が背が高いからなのかもしれないけど、なんでああいう姿勢で死んじゃうかなと。

成長が遅いと言われている暁千星ですが、私はもう少しゆったりと見守りたいです。

 さよなら愛希れいか 平成最後の女帝 

7年間も娘役トップをやっていたのかーー全然そんな風に思えなくて。というのは、愛希れいかの本当のトップ人生は珠城りょうと一緒に始まったと思っているので。

あの龍真咲相手によく頑張ったよ・・・本当に。絶対に自分の目を見てくれない、デュエットダンスで目も合わせない、しまいには手も合わせないようなトップに向かって終始笑顔を振りまき、頑張ってトップの回りをくるくる踊っていた。

私は愛希れいかを知ったのが本当に遅くて(なんせ新人公演みてないので)「MYSTY STATION」で霧矢と銀橋渡っていた地味な女の子が次のトップ?って思ってしまったんですね。

当時は娘役トップがどうのこうのというより龍真咲と明日海りおがどうなるんだ?っていう方が重大事件でしたから。お披露目の「ロミオとジュリエット」も全然ジュリエットなんか目にはいってなかったし。ちゃぴのジュリエットより明日海のロミオの方がずっと綺麗でしたので。

「アリスの招待状」の時も「やけにごっつい娘役だな」と思った程度で。思えばこういうブリブリな恰好があまり似合ってなかったです。男役経験者だったからなのか、さっぱりしていたけど色気や可愛げには欠けていた部分があったかも。

でもそんな愛希れいかへの私の目を変えたのが「1789」のアントワネットです。娘役トップなのにヒロインではないの?って最初は驚いたけど、なぜこの役だったのかとてもよくわかる。この時から彼女は月組の「女帝」になりました。

似合うと思っていなかったごてごてドレスを見事に着こなし、恋に悩む王妃、そして母として生きる王妃を見事に演じたのです。「舞音」でタイトルロールなのも当たり前だと思いました。

以後、珠城りょうと組むようになってからは完璧に「影のトップ」と呼ばれる存在になりました。

安定した演技と歌唱力、ずば抜けたダンス力。落ちぶれたバレリーナも実は女の子だった類14世も、怒り狂うグッディもなんでもござれ状態。

やはり小池修一郎との出会いが大きかったのではないでしょうか。

愛希れいかを成長たらしめたもの。それは数々の小池作品に出て来たからと私は思います。ということはこの先、女優としても安泰の筈。愛希れいかで見たい役なら沢山あるし、ダンス力も大きなポイントを占めるでしょう。

宝塚という世界を出て大舞台へ飛躍してもいい頃です。

愛希れいかは平成最後の宝塚の女帝です。そしてもう一段上に上がっていくと思えばしばしの別れも寂しくないでしょう。

頑張ってほしいです。

コメント (3)
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