ふぶきの部屋

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さよなら七海ひろき

2019-03-21 07:00:00 | 宝塚コラム

 星組から「ひろきのお兄様」がいなくなるなんて考えられなくなっていた昨今です。宙組時代は目に留まっていなかったのに星組では俄然存在感を発揮。

星組の娘役から「おにいさま」と慕われている・・・というのは分かったのですが、「MEMORIES OF 七海ひろき」を見ていたら、本人はそこまで星組に馴染んでいたわけじゃなかったのかなとも思い。心のどこかで宙組に帰りたいと思っていたのかとも・・・・そりゃあ、長かったからねえ。宙組時代。

私が七海ひろきを意識したのは2009年の「逆転裁判2」の時。

この作品は本当につまらなくてげんなりしながら見てたんですけど、いやに可愛い、大和悠河似の男役がいるわーーと思ったらそれが七海ひろきでした。

すでに2007年の「SECOND LIFE」のマークで脚光を浴びていたというのに、全然知らなくて。後からスカステでこの作品を見て、実際にみとけばよかったなと思いました。

正直、私の中で宙組ってとにかく人の出入りが激しくて、ちょっといいなと思うとすぐに組替えになったり退団したり、トップは絶対はえぬきにならないし・・ということであまり興味がなかったんですね。

でも大空祐飛がトップになった時、「これで宙組も落ち着くかな」と思ったんですけど。宙組メンバーとして気になっていたのは悠未ひろとか蓮水ゆうやで、肝心の七海ひろきに関してはあまり。

漸く1回だけ見ることの出来た「銀河英雄伝説」でも、ミッターマイヤーよりキルヒアイスに目が釘付けといった状態で。

とにかく綺麗だし2枚目だし、正統派なんだけど何が何でも自分が前に出ていく・・というようなタイプではなかったように見えます。

歌もそんなに上手ではないし、演技もどちらかというと抑揚のない喋り方をするので、弁護士とか教師のような役ならぴったりだけど、海賊など激しい役ではちょっと。

とはいえ、私はまー様版しか見ていない「風と共に去りぬ」は「七海ひろきの方がずっとよかった」という人もいて、だったら見て置けばよかったなと思いました。

だから星組に組替えになった時はびっくり。今更組替えしてどうするんだと・・それはファンもそうでない人も同じ思いだったでしょう。

しょっぱなの「ガイズ&ドールズ」ではあまり目立った印象もなく・・・というか、北翔海莉時代にはそれほど前に出ていた印象がないんですよね。

「MEMORIES・・」でも「LOVE&DREANS」でのダンスシーンばかりが流れていて、確かにその程度しか活躍してなかったなと。

ところが紅ゆずる時代になると、ちょっと変わって来ました。

スカーレット・ピンパーネル」のロベスピエール。これは望海風斗に比べたら役の比重からイメージから何もかも違うんですけど、セリフ回しはあまりよくなかったけど、ラストの背中を向けるシーンに何ともいえない哀愁を感じて好きでした。

この後、単独主演の「竹中半兵衛」がいい作品だったらもっと七海の位置も変わったんでしょうけど、残念ながらそうはいかなかったんですね。

礼真琴が2番手になるのは規定路線だったとは思うのですが、もうちょっと七海にもチャンスがあればなあと思いました。

「ベルリン、わが愛」でもそれほど大きな役はつかなかったですし、「ブーケ・ド・タカラヅカ」でも、壱城あずさのさよならにすっかり食われてしまってましたし。

次の「Another  World」ではひょうきんな役で、それはそれで面白かったけど、正直七海ひろきの色ではないなと思いました。

でも「キラー・ルージュ」の方は二枚目な部分が生かされて、かなりプラスになったと思います。

そしてこの「キラー・ルージュ」の進化がそのまま七海の進化に繋がったと思います。なんせ、この「キラー・ルージュ」はほぼ半年以上やってた作品です。

大劇場 → 東京宝塚劇場 → 梅田 → 青年館 → 台北 → 高雄

少しずつ中身が変わって、演じる人達のノリが変わって、台湾に到達した時には、何というか、星組のアイドル性が爆発したんですよね。

それを引っ張ったのは紅と礼だと思うのですが、いつもは冷静な七海も、それに乗っかってこれぞ!という程にかっこよさを発揮。表情が豊かになったなと思いました。

そして七海ひろきの冷静さがいかんなく発揮された作品が「サンダーボルトファンタジー」の不患なんですよね。神の手が舞い降りたという感じです。

正直、2・5次元もどきの「サンダーボルト・ファンタジー」はそんなに面白い作品とは言えません。難しいし展開が早すぎる割には時間が長く感じるというもので。

登場人物がみな二つ名を持っていたり、地名が難しかったり・・まるで哲学か?とおもうような理屈が展開したり。

でもその中でも殤不患は非常にわかりやすい役柄だったことがプラスになったと思います。しかも見せ場をかっさらうという非常にお得な役。これで七海ブレイクが始まった・・・と思ったんですけどね。

そうそう、七海の役でもう一つ「オーム。シャンティ・オーム」のムケーシュがありますが、これもまた冷徹で残酷で決して激高しない役で七海にぴったりでした。

礼真琴よりも断然こちらのムケーシュの方が現実味がありました。

 

私個人としては、何かを演じているタカラジェンヌとしての七海ひろきよりも、化粧もほどほどで男役に徹している彼女の方が好きでした。

例えば彼女の「Brilliant Dreams」はキザでキザで何回見ても飽きませんし、スカステでやってた「男役道」も下級生なんかそっちのけで「七海を見る番組」になってました。まるで腐女子のごとくきゃああーーって言いたくなる七海ひろきは実は素顔の七海ひろきだったんですね。

彼女がネタを提供した「カフェ・ブレイク」の「ジェンヌがジェンヌをプロデュース」も、最近は根本的な意義をみんな忘れているなと思って腹が立つのですが、七海が出るとちゃんと決まる。面白くなる。このままずーーーっと「キザり方を教えてくれるひろきのお兄様」でいて欲しいなと思う程です。

 

退団し、今後どうなるかわかりませんけれど、宝塚で培ったかっこよさをいかんなく発揮できる場で活躍して欲しいと思います。

そして幸せになれーー!!

 

 

 

 

 

コメント (5)
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