ふぶきの部屋

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王朝を衰退させるもの 2

2022-04-07 07:00:00 | 日本人なら絶対に知っておきたい皇室

 

 皇后・皇太后・王妃が政治を担った時

④ 同族で殺し合いをした時

 

 オスマン帝国

宝塚で上演された「壮麗帝」はスレイマン1世という、オスマン帝国最大の権力者で領土を拡大した皇帝でした。

しかし衰退の芽はこの時から・・・それというのも、オスマン・トルコと言えば巨大なハーレムを想像しますよね。

ハーレムに入る女性は他国から連れてこられた奴隷の女達。

皇帝の寵愛を受けて皇子を産めば地位は向上しますが、あくまで身分は低いまま。側室で「スルタン」と呼ばれるまでには相当な功績がないとダメらしいのです。

スレイマン1世にはすでに皇后がいましたけど、奴隷のヒュッレムを側室にし、しかも後に正妻にしたものですから、元正妻の子、ヒュッレムの子と皇位継承で揉める羽目に。

奴隷を正室にするのは宮廷の掟破りでした。

この後、兄弟間による皇位争いが続くので皇位を継ぐと同時に弟達を全員殺すというしきたりまで生まれたのです。

なぜこうなったかと言えば、妃達が皇位継承問題に口出しをして自分に権力を集めようと熾烈な戦いを始めたからです。

やがて、アフメト2世の時代、一旦「弟殺し」は止めましたがその代わりに「鳥かご政策」と呼ばれる窓のない牢獄のような部屋に一生閉じ込めるという政策がとられるように。

それというのも皇帝の弟やその子、孫まで利用して自分が後ろ盾となり操ろうとする母后・王妃が乱立していたからです。

確実にオスマン帝国が衰退し始めたのはこのアフメト1世の正妃であったキョセムが在位僅かで亡くなった夫の代わりに帝国に第一の権力者として登場したからです。

キョセムはイスラムの長老達を背景に次々皇帝を立てて母后として権力を握ります。キョセムがいた時代にムスタファ1世・オスマン2世・ムラト4世・イブラヒム・メフメトと皇帝が変わりました。

このように母后が政治の頂点に立つことでどんどん皇帝が無能化していき、さらに継承者も減って滅んでしまうのです。

 

 清朝

清朝といえば西太后というくらい有名ですね。

彼女が咸豊帝の妃になった時から、清朝が滅びの一途をたどる事になります。

清朝は元々満州族、女真族の一族で一夫多妻制。

オスマン帝国のハーレムとよく似ていますが、違うのは妃達の地位がきっちり何段階にも分かれていることです。

一番上が皇后で後宮の経済から秩序まで全てを担いました。

その下に貴妃や貴人がいるのですが、これまたオスマン帝国と違ってそれらの女性達はみな実家を背負って入宮していることです。

ゆえに妃となったからには一日も早く皇子を産み、東宮にして自分は後の皇帝の母にならなければ生き残れないと考えるわけですね。

だから妃同士の争いも大きいし、その子供達も権力争いの犠牲になって死ぬ場合が多いのです。

皇后の地位は確固たるもので例え側室が生んだ子でも皇后がいる限りその方が「母」ですから、側室たちにすれば邪魔な存在ですね。

西太后の夫である咸豊帝は30歳で亡くなり、その弟達が皇位を狙う中でクーデターを起こし、自分の息子を皇位につけ同治帝とします。

睡蓮朝政を始める西太后ですが、同治帝は19歳の若さで梅毒による死去。後継ぎを残しませんでした。

そこで、西太后は妹が生んだ光緒帝を皇位につけ、権力を持ち続けます。

これが「蒼穹の昴」のお話。

光緒帝は清の近代化を進め、明治維新を成し遂げた日本を参考にしようとしますが、西太后は古い清朝のままを望み対立。

光緒帝は最も愛した珍妃を皇后に出来なかったばかりか義和団の乱で井戸に投げ入れられて殺されるという憂き目にあい、最後には西太后によって冷宮に幽閉されて亡くなります。

西太后が最後に後継者が指名したのがラスト・エンペラーの宣統帝ですが、彼は運命に翻弄され子を残す事もなく亡くなりました。その弟溥傑も娘しか恵まれず、清朝は滅んだのでした。

現在も満州族は存在しますし、が大っぴらに言えないようですね。

 

 朝鮮王朝

元々朝鮮王朝はイ・ソンゲという一人の女真族から始まりました。

それまでの高麗王朝とは民族が違うのです。

李氏朝鮮は中国王朝に隷属しましたので、身分も落ちますし文明も逆戻りするような発展の仕方をします。

李氏朝鮮になってから儒教が絶対的な「規律」になり身分の上下、年齢の上下、親子など、とにかく全てに「上下」が付きます。

そしてその後宮もまた清朝などとよく似ているのですが、要は王妃は後宮を束ねる人、王妃並びに妃達は実家をしょって立ち、実家の権力を増大させる為に頑張る存在で、両班達は常に2つ3つの派閥に分かれて権力争いをし、その力の差で王妃が廃されたり、皇子が殺されたりといった事が繰り返されて来ました。

そんな事ばかりやっていると、次第に後継者がすくなくなります。

24代目の憲宗で直系はすたれ、秩序崩壊、派閥争いは激化。

25代目哲宗はいわゆる反逆者で農民に落とされていたのを王に抜擢されたのですが、その裏には安東金氏という宮廷で絶大な権力を持っていた一族の太妃がいて、彼女のおかげで哲宗は王になれたので、彼は終生祖母に睡蓮朝政をゆるす羽目になりました。

安東金氏の派閥からようやく抜けて即位した高宗。

26代目の高宗は傍系のさらに傍系・・・といった家柄。

しかし、彼を牛耳ったのは父である大院君と妻の閔氏。

舅と嫁による激しい権力争いが始まり、日本が開国し日清戦争が始まって日本が勝利しても、朝鮮は立ち位置を中国の属国から離れようとせず、かと思えばロシアに逃げたり・・・閔氏に至っては自分の身の安全を保障する代わりにロシアに領土の一部を明け渡そうとさえしました。

大院君は日本を利用し、自分の手は汚さずに閔氏を殺しました。

高宗はハーグ密使事件を機に退位を迫られ、日本に併合された朝鮮は純宗が後を継ぎます。

けれど彼はどうもヒ素を盛られていたらしいです。

弟の李垠殿下は日本から妃を貰い、長男の晋が生まれた時に里帰りしますが、ここで晋が突然死してしまいます。その後、玖が生まれました。

彼は日本の皇族と同等の扱いで終戦を迎え、アメリカで市民権を取得。

2006年に日本の李王家邸で心臓麻痺で死去。

21世紀になって、傍系のさらに傍系達が継承争いをしているようですが・・・あまり意味がないですよね。

その他、一族皆殺しで滅びたネパール王室がありますね。これはれっきとした殺人事件ですが、犯人は未だに不明。

この流れを見ていくと、22世紀までに滅びそうな王室・・・それはタイじゃないかなと思います。

現ラーマ10世、ワチラロンコン国王は私的には発達障害を持って生まれたのではないかと思います。

数々の奇行が国際的に評判を落としていますし、何度も結婚しては妃の一族を追放、自分はタイではなくドイツに住むという身勝手ぶり。

タイでは近年学生たちによる「王制廃止」運動が起きましたが、見事に潰されてしまいました。

しかし、次代のラーマ11世となる王子もまたほとんどドイツにいるようですしね。

 

日本に置き換えてみましょう。

日本の皇室と世界の王室では役割や意義が違います。

だから、これまで滅んだ王朝の定義が全て当てはまるわけではないのですが、しかし、先例に学び滅亡を阻止する手立てを考える事は大切な事ではないでしょうか。

先に、江戸末期、孝明天皇の後をついだ明治天皇は一人っ子ですぐに後継ぎが必要でした。しかし、昭憲皇太后との間に子は出来ず、側室達の子供も次々夭折します。

ただ一人何とかぎりぎり助かったのが大正天皇ですが、彼は在位が短かったわりに4人の男子に恵まれ(それでも全部皇后腹)皇室の危機を救いました。

続いて昭和天皇は、側室制度を正式に廃止する代わりに、男子が生まれるまで子をなし続けた方です。そして生まれたのが平成の天皇です。

①の継承者がいなくなる・・という危機を乗り越え、②の革命にあたる明治維新や戦後のGHQ政策でも生き残った稀有な存在です。

その背景には近代の明治・大正・昭和の天皇皇后が必死に努力して「国の父母」としての存在感を示した事にあると思います。

中国や北朝鮮などがやっている愛国教育だけでは皇室への尊崇を維持する事は出来なかったでしょう。

 

しかし、皇室に予想外の事が起きます。

それが③と④です。

③に当たるのが、美智子皇后と雅子皇后2代による「陰の天皇」としての権力を振るったことです。

正田美智子は旧皇族でも旧華族でもない、ブルジョワジーから皇太子妃となり皇后となりました。

彼女の「家柄や血筋より学歴、成績」「物申す嫁は新しい時代の鑑」というプロパガンダが見事に成功し、日本は一大教育ママ製造工場になりました。

また、家制度が無くなった事で夫婦1単位が家族になり、「嫁」意識がなくなると同時に家族の繋がりが希薄になっていきました。

美智子妃は常に「悲劇のヒロイン」「庶民的な妃」をマスコミを通してイメージ作りをし、昭和の末期には「香淳皇后から虐められた」とはっきり言わせる程でした。

その陰で次々皇室のしきたりを変えていき、平成となってからは雑誌の見出しを飾る美智子さまの文字は、皇室外交、政治問題、継承問題にまで波及。

一度だけクーデターが起きたけれど、美智子皇后の「悲劇のヒロイン」ぶりに見事に国民は騙されて勝利しました。

美智子皇后の最大の罪は

 皇太子徳仁に小和田雅子を許したこと

 秋篠宮家に産児制限をかけたこと

です。平成も中盤になっていくと、皇室内の価値観すら「美智子さま」に合わせて世間の常識からどんどん離れていき、皇室外交の場でもその非常識は「常識」としてまかり通ってしまう始末でした。

皇太子の役割、天皇役割の一つに「後継ぎを残す」ことが最も重要であったのに、美智子皇后はそれよりも「学歴のある妃」を持つ息子の方がよいと考えたのでした。

結果、皇太子夫妻には8年もの間、子が生まれずやっと内親王が生まれたのですが、この内親王が今や皇位継承の火種を作ることに。

皇太子の心に配慮したのか、美智子皇后は秋篠宮家に産児制限をかけ、やっと許したのは紀子妃が40になる頃。

紀子妃は致命的に滅びの一途をたどる皇室を救いあげるかのように悠仁親王を産みますが、そのような快挙も皇后にとっては「自分の存在を脅かす者」として警戒するばかり。

そのような美智子皇后がなにゆえに天皇の退位に賛同したか。

仮に本当に「生前退位」を天皇が望んでも美智子皇后が反対したら実現しなかったのではないかと思われます。

むしろ後ろからすすめたのは皇后ではなかったかと。

それはもっとも大事な皇太子が天皇になる姿を見たかったことが一番だったでしょう。

 

雅子皇后は皇太子妃になった時から皇室に適応しようとせず、かといって自分の欠点を受け入れる事も出来ず、「嘘」の自分を作り上げました。

つまり「学歴・学力共にご優秀で総理大臣にもなれかたもしれない女性」といういつわりの姿で、そんな女性を妻に出来た皇太子は感謝しろといわんばかりの態度でした。

生まれた内親王に関しても、自分の子の現実を受け入れることが出来ずに「偏差値72で超ご優秀な」という枕詞をつけマスコミを味方に壮大な「愛子天皇」計画をぶち上げます。

皇位継承権は秋篠宮と悠仁親王にしかないにも関わらず、「女性だからって天皇になれないのは不公平」だと皇位継承とジェンダー問題をごっちゃにして、国民を扇動しています。

おまけに雅子皇后には外戚の小和田恒がくっついてコントロールしていますので始末が悪い。

清朝末期、朝鮮王朝末期も真っ青の秩序と伝統が破綻している・・それが今の皇室です。

そして天皇が自分の誕生日で語ったように「壬申の乱」を引き起こして秋篠宮家を潰そうとしている。

 

天皇家の役割は先の「継承」もありますが、さらに「国家鎮護」も大きな存在理由なのです。

あくまで天皇が祈るべきは日本という国の平和と安定であって、個人の国民ではないのです。

それを忘れて「国民に心を寄せる」などと言い募る天皇はもはや庶民と同じでただの人間。

そうなると皇室の行く末も危ないでしょう。

無事に悠仁親王に継承されれば救いの道もあるでしょうが・・・・

 

要は「王朝」の滅ぶ理由は「自己の利益ばかり追求する王族の存在」ということに尽きるのではないでしょうか。

 

 

 


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6 コメント

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Unknown (ミロ)
2022-04-07 07:44:25
ふぶき様、スレチすみません。
上田先生が退団されたのでは?という噂がありますね。
ふぶき様の上田先生へのコラムを読みたいとリクエストさせていただきます。
私は「fff」のだいもん様、「BADDY」のみや様で宝塚がとても身近に感じられて観劇するようになりました。
「桜欄記」も素敵でした。
Unknown (るり)
2022-04-07 09:18:21
新しい切り口からのコーナーが勉強になります。
ありがとうございます。西洋史には疎いのですが、日本人には、敵味方などの利害関係を越えた、礼儀正しいところがあると思っています。武士が戦で名乗りあってから1対1で戦っていたとか、まあ残酷な刑罰などもありますが、他国のように敵将の遺体を小さくして豚のえさにするなどというとんでもないことはしません。
そういう国民性が、皇室の維持にも影響していると思うのですが、最近はそれも崩れつつあります。世界とつながりやすくなったこともあるでしょうか。
血筋も家柄もない上皇后が学歴等を重視することは仕方がなかったでしょうが、浩宮が内親王であればすぐに強い影響力を持てなかったでしょう。男子を授かるという奇跡ゆえに自分のステイタスがあるということを小和田雅子に教え、そう仕向けてくれたらまだましだったでしょうね。そんなことは絶対認めないのかもしれませんが、お二人とも。
Unknown (電気うなぎ)
2022-04-07 10:52:46
ふぶきさま、ごきげんよう。
さすがふぶきさま、博識ですね。
日本には応仁の乱もあったし(将軍家ですが)、引き起こしたのは御台所でした。
昔から「雌鳥が鳴けば国が滅ぶ」と言います。たとえ鳴かずとも、実家に権力を握らせたら同じ。
ご先祖は決して高い身分ではなかった美智子さまや雅子さまは、まるで大奥すごろくのような人生です。たまたまご実家が裕福だったので、学歴などでの成り上がり感と権威主義が半端ないですね。
Unknown (キンポウゲ)
2022-04-07 15:05:29
>この流れを見ていくと、22世紀までに滅びそうな王室・・・それはタイじゃないかなと思います。

私もそう思っていたのですが、あるところの書き込みに「ネパール王室の次に滅びるのはタイ王室と言われていたが、最近では日本の皇室と言われている」とあり、ぎょっとしました。

個人的にはブータンの王様ご一家が好きです。
東日本大震災の地でお坊様たちと読経するお姿、国会での感銘深いスピーチは忘れられません。
Unknown (ゆうこ)
2022-04-07 19:30:21
夕方のテレビを見ていたら愛子さまのお話。4月に成っても登校はせずリモートで授業を受けられるそうです。こうなったら来年の卒業年度もリモートに成りそう。
学習院の通信教育学部をお一人で卒業されそうですね。
登校しない理由は天皇皇后にコロナを感染させないお気持ちが強くって事で。
Unknown (いちご大福)
2022-04-07 21:44:09
公務、祭祀をしない為に思いついたことなんでしょう。どんなに訓練しても1人では無理と判断したんでしょうね。何が国民に心を寄せるなんだ?自分たちだけが大事なんでしょう。
悪いことは何でもかんでも紀子妃殿下のせいにしようとするマスコミや天皇家に腹が立って仕方ありません。
産児制限した事は本当に罪深い事でした。産み分けに失敗した雅子さんのせいで、紀子妃殿下が本当に覚悟の出産をされました。
愛子さまも酒が大好きなご両親と豪華なツマミをアテにしながら、毎晩酌み交わしていそうです。職員の方がクダを巻かれないか心配です。
紀子さまの裏の顔みたいな事を書く記事もあるみたいですが、表の姿も保てないご夫妻がいらっしゃいますけど?

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