あんたはすごい! 水本爽涼
第百六十九回
「そうです…。まあ、この現象は、そう度々(たびたび)、起こりゃしませんがね。玉が盛んに霊力を出して活動している時に、よく起こります」
「…そういえば、今日、沼澤さんにそのことを訊(たず)ねようと思って寄ったんです。部長になるやら、議員の煮付(につけ)先輩から、どでかい話が舞い込むやら、それに今のことも含めて、なんか変なんですよね」
「そうでしょうとも…」
沼澤氏は当然だと云わんばかりで、私に理解を示した。ママと早希ちゃんは、いつの間にかボックス席へと逃避行を決め込んでいた。むろん、逃避はしているのだが、私と沼澤氏が話している様子を遠目に窺(うかが)っている訳で、ある意味、気を利かせてくれた、とも云えた。
「玉のお告げがあるのですが、途中で中断すると、そのあとがないんですよ。これって、どういうもんでしょうか?」
「それはこの前、塩山さんがお訊(たず)ねになったので私が答えたじゃありませんか。あなたが慣れるしかないと…」
「慣れる…といいますと、具体的には?」
「慣れるのですよ、霊力に慣れるのです。慣れるとは、霊力をコントロールする力(フォース)を高める、ということです」
「なるほど…」
第百六十九回
「そうです…。まあ、この現象は、そう度々(たびたび)、起こりゃしませんがね。玉が盛んに霊力を出して活動している時に、よく起こります」
「…そういえば、今日、沼澤さんにそのことを訊(たず)ねようと思って寄ったんです。部長になるやら、議員の煮付(につけ)先輩から、どでかい話が舞い込むやら、それに今のことも含めて、なんか変なんですよね」
「そうでしょうとも…」
沼澤氏は当然だと云わんばかりで、私に理解を示した。ママと早希ちゃんは、いつの間にかボックス席へと逃避行を決め込んでいた。むろん、逃避はしているのだが、私と沼澤氏が話している様子を遠目に窺(うかが)っている訳で、ある意味、気を利かせてくれた、とも云えた。
「玉のお告げがあるのですが、途中で中断すると、そのあとがないんですよ。これって、どういうもんでしょうか?」
「それはこの前、塩山さんがお訊(たず)ねになったので私が答えたじゃありませんか。あなたが慣れるしかないと…」
「慣れる…といいますと、具体的には?」
「慣れるのですよ、霊力に慣れるのです。慣れるとは、霊力をコントロールする力(フォース)を高める、ということです」
「なるほど…」