水本爽涼 歳時記

日本の四季を織り交ぜて描くエッセイ、詩、作詞、創作台本、シナリオ、小説などの小部屋です。

思いようユーモア短編集 (74)する

2021年01月14日 00時00分00秒 | #小説
 物事をすることにより、自分を取り囲むすべてが動く。しなければ何も動かず、発展もしなければ後退もしない。要は、水が停滞(ていたい)して氷のような状態になってしまう状態だ。その凍った氷がポタァ~~リ、ポタァ~~リと少しづつ融(と)け、水になる・・これが、コトをすることによって起こる現象だ。融けたくなければ、何もしなければいいが、場合によっては融けることによって救われることもあるのである。しなければ、そのままアウトになつてしまうのなら、ものは思いようで、することでセーフになった方がいいに決まっている。^^
 川森は、とある日、さてどうしたものか? と考え倦(あぐ)ねていた。するか、しないかの二択(にたく)である。しなければコトは起きず、しばらくは会社組織の平穏が保たれることは保障されていた。しかし、長期的に衰退することも川森の読み筋では事実だった。するとどうなるか? そこには大きな決断が必要である。迷いに迷った挙句、川森は、することにした。決断したのである。
「どうしたの? こんな、早く…」
「ああ、まあな…」
 川森は狸(たぬき)のように妻を煙に巻いて家を出た。
 数年後、一時は弱体化した会社組織は再建され、川森の決断どうり元気を回復したのだった。決断をしなければ、恐らくはチィ~~ン! でダメだったろう…とは、再建後の川森の懐古である。
 するときはしないと、ダメダメっ! という教訓めいたお話である。ただこの場合、先を見通す能力は必要で、それは個々の生まれ持った能力の有りや? 無しや?にかかっているようだ。^^

                      

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