水本爽涼 歳時記

日本の四季を織り交ぜて描くエッセイ、詩、作詞、創作台本、シナリオ、小説などの小部屋です。

思いようユーモア短編集 (82)前へ前へ

2021年01月22日 00時00分00秒 | #小説
 過去に拘(こだわ)っていては進歩はないっ! と言う人がいる。歴史に登場する変革の覇者(はしゃ)、織田信長公だ。^^ 歴史上の人物だけに、直接、出逢ったことはないが、^^ 確かに一理ある…とは思える。特に日本人の場合、いつまでも悪い慣習に捉(とら)われがちなのが、余りよくない。まあ、よくないといっても、一定のラインを越さないという程度や内容にもよるという条件はあるか? とは思えるが…。^^ その点で悪しき慣習を捨て、前へ前へと進めたいものだ。とはいえ、前へ前へと進め過ぎても問題になる。便利さに遊びまで入ったアプリケーションだらけのスマホもいいが、どこでも通信できるガラ系で十分だろう。^^ 例(たと)えばPC[パソコン]の場合だが、前へ前へ[バージョン・アップ]も、PCの古いソフトが使えないなら、後ろへ後ろへ[バージョン・ダウン]ということになる。^^
 大晦日が迫ったとある家庭の子供部屋である。小学三年の長男、星也(せいや)が、冬休みの宿題をやり終えたところだ。
「よしっ! これで、あとは遊ぶだけだな…」
 星也は両手を広げながら欠伸(あくび)をし、独(ひと)りごちた。というのも、冬休みの宿題を丸一日かけて前へ前へとやり進め、すべてやり終えてしまったからである。深夜の1時は疾(と)うに過ぎていた。家族の者は全員が寝静まっている。『ヒヒヒ…これで母ちゃんに怒られる心配は、まずないや…』と思いながら、星也はベッドへ入った。
 その一週間後である。星也の読みは確かに当たっていた。確かに当たってはいたが、ただ、掃除や家の手伝いを前へ前へとやらなかったため、そちらで怒られることになった。
 まあ、ものは思いようで、前へ前へも、その後の結果による・・と言えるだろう。^^

                      

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