ぞんざいという言葉がある。分かりやすく言えば、いい加減・・という意味である。丁寧(ていねい)に物事をしないことだが、ものは思いようで、ぞんざいにしていなければ、キッチリと整っていた、あるいは成功、出来ていた…と後々(あとあと)になって反省したり悔(く)やんだりすることはない訳である。まあ、個人の性格によるところもあるから、ぞんざいになるのは、どうしようもないのかも知れない。^^
とある普通家庭の勉強部屋での一コマである。母親が小学二年生の子供を叱(しか)っている。
「まだ、お勉強が終わってないでしょ!!」
「うん…」
そんなに言わなくても…という顔で、子供はおやつを食べるのをやめ、机椅子へ座った。
「ほんとにぞんざいなんだからっ! 誰に似たのかしらっ? きっとパパね…。よく、新聞読み散らかして、トイレへ置き忘れるから…」
母親は子供のぞんざいさを父親の所為(せい)にした。
その一時間後である。母親は買い物から帰ったあと、買い物した品々をぞんざいに置き散らかしたまま、テレビのメロドラマを観始めた。
「フゥ~…間に合ったわっ!」
開口一番、湯飲みのお茶を飲み、菓子を頬張った。
このように、ぞんざいは性格とは別に、思いよう一つで、誰にも起こり得るのである。^^
完