多くの議員に取り囲まれた委員長が、『き、起立多数!! よ、よって、ほ、本案は…賛成多数で…か、可決され…ましたっ!』などと満員電車に詰め込まれた乗客が押されるかのように述べ、委員会に付託(ふたく)された案件が可決されるというテレビの中継場面を見かけることがある。少数ではダメなのである。^^ いくらそれが理に適(かな)っていたとしても、少数では多数に勝てないのである。^^ 桶狭間の戦いのようなことは、まず今の時代だと起こり得ない、ということだ。実に寂しくも悲しい話である。^^ で、その多数を勝ち取るため、人々は汗して疲れる訳だ。まあ、私もその一人だったのだが…。^^
前述した、数日前のとある委員会である。
「委員長ぉ~~!! それは怪(おか)しいでしょぉ~~!!!」
質問した女性議員が激しく抗議する委員会室は、野次と怒号(どごう)が飛び交い、まるで戦場の様相を醸(かも)し出していた。
「お静かにっ! 静粛(せいしゅく)に願いますっ!」
委員長が、なんとなく疲れたような声で少し焦(あせ)りぎみに言い放つ。騒然と委員長席へ詰め寄る関係議員達。
「そうだっ! 取り消せっ!」
委員長席へ詰め寄った関係議員の一人が、今にも掴(つか)みかかりそうな動きで委員長に放つ。与党の委員と思(おぼ)しき数人の議員が、そうはさせまいっ! と委員長を取り囲んで擁護(ようご)する。議員達は入り乱れて動き回り、疲れる。^^ 審議で疲れるのではなく、動き回って疲れるのである。^^
このような国会では政治が滞(とどこお)り、結果として国民が疲れる暮らしをしなければならないから、如何(いかが)なものか…?^^
完