大相撲の本場所が始まった。その二日目を観ていると、上位の関取が下位の関取に切り返し[決まり手]で負けてしまった。その取り組みを細かく解説することにしよう。^^ 最初、上位の関取が無理に上手投げで下位の関取を投げ飛ばそうとした。それがいけなかった。技が決まらず関取は土俵際まで追い込まれた。なんとか体勢を立て直し、ふたたび上手投げで投げ飛ばそうとした。私が思うに、思いどおりにならず少し冷静さを欠いておられたのでは…と思われる。さらに付け加えるなら、強さの自信が災いに…とも思えるのである。まあ、これは私の勝手な思いようなのでお負けになった関取にはお許し願いたい。^^ まあ、この話は置いておいて、無理はいけないとは言えるだろう。これも思いよう一つで、無理はやめておこう…と思えば、無理じゃなくなるのだから、人の世は面白い。^^
二人の若者がなにやら話している。
「いや! それは無理だからやめておいた方がいいぜっ!」
「ふんっ! なんだい、こんな30kgぐらいの荷物!」
「いやいや、距離があるからなっ! ここから10kmはあるぜっ!」
「だから、どうだって言うんだよっ! 俺じゃ無理とでも言いたいのかっ!!」
「いや、そんな訳じゃねぇ~が…」
「だったら、黙っててくんなっ!」
「分かったよ…」
止めた男はそれ以上は言わなかった。
その二時間後である。止めた男が電話で話をしている。
「…はい! まだ届きませんかっ? すいません! 二時間前に出たんですがね…。はい! まだ着いてないと…。どうも、すいませんっ!!」
その頃、30kgの荷(に)を担(かつ)いで店を出た男は、7kmばかりの途上で足を捻挫(ねんざ)し、病院へ運ばれていた。
本人の思いようが無理でなくても、他人が無理と思える内容はやめておいた方がいいのかも知れない。しかし、誰かがやらねば前進はない! とも言えるから、場合によりけり[ケース・バイ・ケース]だろう。^^
完