人も動物である以上、何をしたとしても息抜きは必要になる。職場では休憩や休息などが規則で、はっきりと定まっている。労働基準法があるからと言えばそれまでだが、働きっぱなしでは人の身体が持たないということもある。ただ、この息抜きを甘(あま)く捉(とら)えるか、あるいは辛(から)く捉えるかの考え方は管理者によって大きく違い、誰だって甘い方がいいに決まっている。私だってそうだ。^^
とある会社である。課長の馬尾が課員の牛川を呼んで話をしている。
「君ねぇ~、少し働き過ぎなんじゃないかっ!? 息抜きせんと、そのうち倒れるよっ。倒れるのは君の勝手だが、倒したのは私ってことになるからねぇ~」
馬尾は次の人事異動で次長の呼び声が高い人物だった。当然、そのことは本人の馬尾にも分かっていたから、今の時期、課内のアクシデントだけは避(さ)けたかったのである。
「はぁ、分かりました。なかなか切りがつかないもんで、つい…。以後、気をつけます」
「んっ? いや、なに…。分かってくれりゃいいんだよ、分かってくれりゃ! ははは…」
牛川が素直に甘く謝(あやま)ったものだから、馬尾は、『こいつ、私が出世したいからと思ってんじゃないだろうな…』と気づき、軽く流すことにした。こんなことで課員にどうのこうの[どうたらこうたら]と思われたくない…という辛い考えが浮かんだこともある。
次の人事異動が巡ったが、辛い考えの馬尾は課長のまま、鳴かず飛ばずだった。取り分けて甘い牛川が息抜きをしなかったから・・という訳ではない。^^
考え方も息抜きをしないと、皆さん、出世できませんよっ!^^
完