このゆびと~まれ!

「日々の暮らしの中から感動や発見を伝えたい」

長篠合戦では勝頼を騙して誘いこんだ

2024年11月30日 | 歴史
⑰今回は「作家・津本陽さん」によるシリーズで、織田信長についてお伝えします。――――――――――――――――――――――――一信盛(のぶもり)は長閑(のどか)に申しいれた。「私はかねて主人信長に恨みを抱いている。ついては、このたび勝頼公が信長と決戦されるとき、私は戦いの最中に裏切り、織田本陣をついて信長を討ちとるであろう」佐久間信盛は当時、織田家随一の重臣であった。「甲陽軍艦」では、設楽原(したら . . . 本文を読む
コメント

正倉院秘蔵の蘭奢待(らんじゃたい)を切り取った

2024年11月29日 | 歴史
⑳今回は「作家・津本陽さん」によるシリーズで、織田信長についてお伝えします。――――――――――――――――――――――――「儂は南部東大寺の密蔵第一の重宝、蘭奢待(天下第一の名香と謳われる伝説の香木)をば所望いたしおるでのん。お許しが出たならば、そのほうどもも同道して、奈良に下向いたせ」宗久たちは、信長の言葉に息をのんだ。名香蘭奢待は、東大寺正倉院に秘蔵されている、唐、天竺にまで聞えた名香であっ . . . 本文を読む
コメント

義昭と共に上京も焼き尽くした

2024年11月28日 | 歴史
⑮今回は「作家・津本陽さん」によるシリーズで、織田信長についてお伝えします。――――――――――――――――――――――――義昭(足利)は信長の予測の通り、和議をはねつける。彼は意外に迅速な信長の襲来に動転しているが、あとへはひけない。戦闘がはじまれば、寡勢(かぜい:少ない軍勢)の幕府勢は敗北を免れないであろうが、そのときは洛南に逃れ、逆賊信長追討の軍をふたたび催(もよ)おそうと、覚悟をきめていた . . . 本文を読む
コメント

家康の三方ケ原の敗戦

2024年11月27日 | 歴史
⑭今回は「作家・津本陽さん」によるシリーズで、織田信長についてお伝えします。――――――――――――――――――――――――陽が暮れはて、牡丹雪の舞うなかで、徳川勢の苦難に満ちた退陣がつづいていた。家康を護衛する旗本の精鋭は傷つき疲労し、ほとんどが馬を失っていた。本多正信の弟正重は、追撃する敵と白兵戦(はくへいせん:敵と接近し、刀や剣槍などの武器を交えて戦うこと)をかさねるうち、身に十四創(そう: . . . 本文を読む
コメント

叡山の女子供まで虐殺した

2024年11月26日 | 歴史
⑬今回は「作家・津本陽さん」によるシリーズで、織田信長についてお伝えします。――――――――――――――――――――――――軍兵たちは山門に名のきこえた高僧、貴僧、智僧を容赦なく捕え、首をはねる。逃げるのをあきらめ、群れ集い山を下ってくる学侶たちも、片端から斬り倒された。荒武者どもの眼をおどろかす美童、美女も数多く捕えられ、命乞いをする。「のう、われわれなどは逆意などなかなか存じよらず。敵ならぬに . . . 本文を読む
コメント