【この世の理不尽と闘い続けた男女の物語】
故郷を終われ、北九州の若松に流れ着いた男と女…
彼らはその港で最下層の仕事とされる沖仲仕(おきなかし)の仕事に就く。
現在、「沖仲仕」という言葉は"差別用語"とされ、港湾労働者という呼称で一括(ひとくくり)にされている🙄※ワタシが「沖仲仕」というコトバを最初に知ったのは故・安部譲二をモデルにしたとされる三島由紀夫の小説「不思議な彼」である。
主人公・玉井金吾郎と妻のマンは、労働組合を結成してストライキをしながら、この世の理不尽と闘っていく…のちに金吾郎は渡世人から若松の市会議員になっている😮
どんなに理不尽で裏切りや屈辱を受け底辺に置かれたとしても…
人としての品格を失わず「困っている人が居たら助ける」という玉井家の教えは最終的に孫の代で故・中村哲氏によって結集される…
ちなみに、原作者の火野葦平は…
玉井金吾郎の長男、哲氏は玉井金吾郎の次女の息子である🙄
【今こそ、読むべき小説】
別にヤクザ社会を美化するワケではないが🙄
ワタシ個人としては、「花と龍」は今こそ読むべき小説ではないか?と思うのである。
「花と龍」は明治から昭和の戦後、ちょうどエネルギーが石炭から石油に変わる頃を舞台に描かれているが🙄
そんな昔の話…
ではなく…
今がまさに、それに相応しい時代だと個人的に思うからである🙄
ナニが相応しいのか?というと…
今や日本国民の半数以上が、理不尽な働き方を強いられ🙄
1億総中流時代から底が見える下層に突き落とされている🙄
そう感じるから…である。
日本の近代化を支えた石炭👍
その石炭は坑夫や沖仲仕たちの過酷な労働で支えられている🙄
共に最下層…とされる労働者の人々だ🙄
しかし…
その労働者たちが居なければ…
近代日本は成立しなかった🙄
どんなに底辺にあっても、人としての品格を失うな👍
玉井金吾郎の姿は、敗戦ですべてを失い、ゼロからのスタートで立ち上がっていく戦後の日本の姿と重なって見える🙄
今日は帰りに図書館へ寄って…
火野葦平の「花と龍」を探してみよう♪