後期高齢者の旅とひとりごと

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武士道

2007-06-02 12:29:05 | 本と雑誌

かねてから読みたいと思っていた新渡戸稲造の

武士道を読んだ。

この本は明治32年新渡戸稲造がアメリカにいた

ときに英文で書いた本であるが、当時日本は維新後

文明開化の時代であった。

そこで日本人を世界の人に理解してもらうために

日本人の伝統的精神 思想 道徳律 を武士道という

名の下に世界の人達に向けて書いた本である。

この本は当時世界各国で翻訳されて、ベストセラーになり、

アメリカ大統領のルーズベルトもこの本を読んで 

感動したとのことである。

今日本は国際化し、西洋文明の洪水のなかで、経済至上主義化し

日本人はエコノミックアニマルと化してしまった。

武士道とは義、勇、仁、礼、誠、名誉、忠義の道徳律

であるといっている。

簡単に言えば他人にはやさしく、正直であり、嘘をつかず、

卑怯な事をせず、弱い物いじめせず、約束は守り、

親孝行をし、家族仲良くといった日本人固有の良心であり

モラルであるようだ。

いまこれらの武士道精神に欠けた人が多くなったように

思う。

武士道はただ知識を重んじるものではなく、重んじる

ものは行動であり、知識はそれ自体が目的とはならず、

あくまで知恵を得るための、手段でなければならない、と

論じている。

最近政府の教育再生会議で、いままでの知識偏重教育から

徳育、情緒教育の重要性が討議されているらしいが

一日も早い実現を期待したい。

毎日毎日嫌な事件や事故が報道され、先が思いやられる。

日本の伝統文化といえる武士道の倫理観 道徳観の欠如

が今の金権体質を作ってしまったように思う。

長年5000円札で見守っていた新渡戸稲造の姿が

消えて久しい。墓場の陰で泣いているかも・・・・

今の時代になっても、新鮮な輝きを見せる、世界に誇りうる

日本人の伝統文化であり美学とも言える

武士道精神が世界に平和をもたらし

世界の人から尊敬される美しい日本を望みたい。