「あかねさす紫の花」というミュージカル作品から始まった私と万葉集、飛鳥時代の人々との出会いはその後、様々な方向に派生して行きます。
この時代の人間関係はこの時代の婚姻が一夫多妻制で、同母の兄妹、姉弟でなければ婚姻も許されていたため、かなり複雑。しかも政治の中心部では権謀術数が繰り広げられていた。
そんな人間模様の中で私が惹かれたのがナンバーワンプリンスともいえるほどの輝きを持った大津皇子。
わずか24年の生涯ではあったけれど、私にはその生き方の真直ぐさが眩しく感じられました。
実は「あかねさす紫の花」という舞台作品には続編ともいえる作品が2つあり、その一つが「あしびきの山の雫に」という大津皇子を中心とする物語だった(もうひとつは「たまゆらの記」で、物語の中心は安宿王と安宿媛)。
舞台作品の上演と私が大津皇子に惹かれたのとどちらが先だったのか今となってはよくわからないのだけれど、この大津という人物、悲劇的結末を迎えますが、それさえも輝きに感じられる程、私には魅力的な人物でした。
とは言っても実像を物語る資料がそれほど残されているわけではないので、想像というか妄想の部分が多いのかもしれないです(笑)。
大津皇子は天武天皇の第三皇子(長子とする記録もある)。母は大田皇女。同母姉に大伯皇女がいる。
母の大田皇女は蘇我倉山田石川麻呂の娘遠智娘と天智天皇の間の娘で鸕野讃良皇女(のちの持統天皇)の同母姉。彼が5歳の時に母は亡くなり、天智天皇に愛されて育ったといわれ、漢詩を能くした。
日本最初の漢詩集である「懐風藻」は大津について
状貌魁梧 器宇峻遠 幼年にして学を好み 博覧にして能く文を属る 壮に及びて武を好み 多力にして能く剣を撃つ
性すこぶる放蕩にして 法度に拘らず 節を降して士を礼びたまふ 是に由りて人多く附託す
と記している。
これを要約すると、身体が逞しく、品があって人間の器が大きい。性格は自由奔放で規則にとらわれず、自分の周囲に集まってくる人達を身分に関係なく礼遇した。というような感じになる。
私は古いしきたりに縛られずに前に進む人物に惹かれる傾向があって(ちょっと極端ですが信長とか「風と共に去りぬ」のスカーレットが好き)大津もその一人。
規則や風習に縛れずに行動し、しかも礼節を忘れないなんてパーフェクト。
そんな彼の青春の1ページともいえる歌が万葉集に残されている。
あしひきの山の雫に 妹待つと 吾立ち濡れぬ 山の雫に
この歌は石川郎女に贈った歌で、彼女の返歌もあります。
吾を待つと君が濡れるけむ あしひきの山の雫にならましものを
実はこの石川郎女には草壁皇子(讃良皇女の息子)も歌を贈っている。しかし、草壁の歌に対する郎女の返歌は残されていない。
つまり、一人の女性に2人の皇子が思いを伝えている。それはまるで額田をめぐっての中大兄と大海人のようだ。
時代は繰り返すというべきか・・・。
歌からみて、恋の勝者は大津のようだが、この勝者だった大津はそのありあまる才能ゆえに悲劇の主人公になってしまう・・・。
続きは後日。
この時代の人間関係はこの時代の婚姻が一夫多妻制で、同母の兄妹、姉弟でなければ婚姻も許されていたため、かなり複雑。しかも政治の中心部では権謀術数が繰り広げられていた。
そんな人間模様の中で私が惹かれたのがナンバーワンプリンスともいえるほどの輝きを持った大津皇子。
わずか24年の生涯ではあったけれど、私にはその生き方の真直ぐさが眩しく感じられました。
実は「あかねさす紫の花」という舞台作品には続編ともいえる作品が2つあり、その一つが「あしびきの山の雫に」という大津皇子を中心とする物語だった(もうひとつは「たまゆらの記」で、物語の中心は安宿王と安宿媛)。
舞台作品の上演と私が大津皇子に惹かれたのとどちらが先だったのか今となってはよくわからないのだけれど、この大津という人物、悲劇的結末を迎えますが、それさえも輝きに感じられる程、私には魅力的な人物でした。
とは言っても実像を物語る資料がそれほど残されているわけではないので、想像というか妄想の部分が多いのかもしれないです(笑)。
大津皇子は天武天皇の第三皇子(長子とする記録もある)。母は大田皇女。同母姉に大伯皇女がいる。
母の大田皇女は蘇我倉山田石川麻呂の娘遠智娘と天智天皇の間の娘で鸕野讃良皇女(のちの持統天皇)の同母姉。彼が5歳の時に母は亡くなり、天智天皇に愛されて育ったといわれ、漢詩を能くした。
日本最初の漢詩集である「懐風藻」は大津について
状貌魁梧 器宇峻遠 幼年にして学を好み 博覧にして能く文を属る 壮に及びて武を好み 多力にして能く剣を撃つ
性すこぶる放蕩にして 法度に拘らず 節を降して士を礼びたまふ 是に由りて人多く附託す
と記している。
これを要約すると、身体が逞しく、品があって人間の器が大きい。性格は自由奔放で規則にとらわれず、自分の周囲に集まってくる人達を身分に関係なく礼遇した。というような感じになる。
私は古いしきたりに縛られずに前に進む人物に惹かれる傾向があって(ちょっと極端ですが信長とか「風と共に去りぬ」のスカーレットが好き)大津もその一人。
規則や風習に縛れずに行動し、しかも礼節を忘れないなんてパーフェクト。
そんな彼の青春の1ページともいえる歌が万葉集に残されている。
あしひきの山の雫に 妹待つと 吾立ち濡れぬ 山の雫に
この歌は石川郎女に贈った歌で、彼女の返歌もあります。
吾を待つと君が濡れるけむ あしひきの山の雫にならましものを
実はこの石川郎女には草壁皇子(讃良皇女の息子)も歌を贈っている。しかし、草壁の歌に対する郎女の返歌は残されていない。
つまり、一人の女性に2人の皇子が思いを伝えている。それはまるで額田をめぐっての中大兄と大海人のようだ。
時代は繰り返すというべきか・・・。
歌からみて、恋の勝者は大津のようだが、この勝者だった大津はそのありあまる才能ゆえに悲劇の主人公になってしまう・・・。
続きは後日。
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