(ピエール瀧被告)
① ""ピエール瀧被告に懲役1年6か月求刑 コカイン使用の罪""
2019年6月5日 14時16分 、コカイン事件
俳優でミュージシャンのピエール瀧被告がコカインを使用したとして麻薬取締法違反の罪に問われている裁判の初公判で、被告は起訴された内容を認めました。一方、検察は懲役1年6か月を求刑し、5日ですべての審理が終わりました。
(東京地方裁判所で初公判)
ピエール瀧、本名・瀧正則被告(52)はことし3月、東京 世田谷区のマンションでコカインを使用したとして、麻薬取締法違反の罪に問われています。
5日、東京地方裁判所で初公判が開かれました。
5日、東京地方裁判所で初公判が開かれました。
瀧被告は黒っぽいスーツで紺色のネクタイを身につけ、裁判官に一礼をしてから法廷に入りました。そして、裁判官から、法廷の中央にある証言台に立つように促されると「はい」と答え、手を前に組み、裁判官のほうに背筋を伸ばして立ちました。
裁判の冒頭で裁判官から名前を確認されると「瀧正則です」とはっきりとした口調で答えました。また職業について尋ねられると、被告は「ミュージシャンをやっていましたけど、事務所に解雇されたので、無職です」と答えました。
そして裁判官から起訴された内容に間違いがないか質問されると、はっきりとした口調で「ありません」と述べ、罪を認めました。
被告人質問で、瀧被告は「皆さんに迷惑をかけてしまった。申し訳ないことをしたと思っています」と謝罪しました。
また「ミュージシャンとして仕事を始めましたが、近年は映画やドラマの役者としての仕事がくるようになり、時間的にも精神的にも追い詰められた。本当は、ほかにストレス解消の方法を見つけるべきだったのに、薬物に手を出してしまった自分が甘かった。二度と違法な薬物に手を出さないことを誓います」などと話しました。
検察は20代の頃から継続的に使用し、常習性があると指摘して懲役1年6か月を求刑しました。
検察は20代の頃から継続的に使用し、常習性があると指摘して懲役1年6か月を求刑しました。
一方、被告の弁護士は薬物依存の治療のために通院を続け、家族や友人など周囲の支えもあるとして、執行猶予の付いた判決を求めました。
瀧被告は審理が終わると、裁判官や検察官に向かって一礼をし、傍聴席にも深く頭を下げてから法廷をあとにしました。
審理は5日ですべて終わり、判決は今月18日に言い渡される予定です。
傍聴席求め1200人余が
(傍聴席21席に対して1266人が並ぶ)
東京地方裁判所には傍聴を希望する多くの人が訪れ、裁判所の外まで長い列ができました。裁判所によりますと、傍聴席21席に対して1266人が並び、抽せんの倍率はおよそ60倍となりました。
瀧被告 法廷で語ったことは…
瀧被告は5日の法廷で、謝罪を繰り返すとともに、音楽活動の再開についても言及しました。
法廷での主な発言です。
薬物をやめられなかった理由について、「本来はストレスを解消するのにほかのものを見つけるべきだったが、心の甘さがあった。単純に手に入れられる環境にあったことも大きな要因だったと思う」と話しました。
薬物をやめられなかった理由について、「本来はストレスを解消するのにほかのものを見つけるべきだったが、心の甘さがあった。単純に手に入れられる環境にあったことも大きな要因だったと思う」と話しました。
捜査段階の取り調べで薬物の入手経路を明かしたことについて、「使用していた時からいつかはやめないといけないと思っていた。今回の逮捕で、足を洗う、やめようという気持ちになった。そのためにすべて正直に話すことが必要だと思った。入手先の連絡先は消去し、これからも連絡を取ろうとは思わない」と話しました。
また、たびたび謝罪のことばを口にし、「ライブを楽しみにしてくれていたお客さん、映画やドラマを楽しみにしてくれていた人には正直にごめんなさいという気持ちだ。現場で信用して仕事を下さった皆さんには、事件のせいでよけいな労力を使わせてしまい、申し訳ないことをしたと思っている」と話しました。
薬物依存からの脱却については「社会復帰させてもらえるなら、薬物依存から脱却するプログラムを受けることが必須で、医師の診察を受けてプログラムを受けている。治療を受ける中で、薬物に対して深い考察が無かったことに気がついた。先生と話していて、自分が薬物を使ったきっかけを発見できた。今まで自分1人で解決しようとしすぎていたが、家族や友人がサポートしてくれるので、甘えて頼りながら対処したい」と述べました。
また、裁判官から今後の活動について尋ねられると、「事務所も解雇され、仕事の面で明るい展望は無いに等しいが、私にも家族がいるので責任があり、そのことが支えになっている。何としてもやっていかないといけないという決意はある。私は楽曲の制作にはあまり関わっていなくて、相方が主導権を握っているが、音楽を作ることはやっていこうと思うし、バンドの中でも足並みをそろえて協力させてもらえれば、やっていかせてもらえれば、と思っている。仲間には迷惑をかけてしまい、まずはこの状況を改善しないといけないので、裁判が終わってからと思っている」と述べ、ミュージシャンとしての活動を再開したい考えを明かしました。