◎◎ 〔マーケットアイ〕外為:ユーロ1.20ドル後半、ECBのユーロ高けん制を警戒
2020/12/10 15:40
[東京 10日 ロイター] -
<15:34> ユーロ1.20ドル後半、ECBのユーロ高けん制を警戒
¤¤¤⇨ ユーロ/ドルは1.2092ドル付近、ユーロ/円は126.30円付近。
欧州中央銀行(ECB)の理事会を今夜に控え、様子見ムードが広がっている。
◆◆◆ 外為市場で最も警戒されているのは、ECB当局者によるユーロ高けん制発言だ。
ECBのラガルド総裁は9月10日の記者会見で、ユーロ高が物価にマイナスの圧力になるほどなら、注意深く監視しなければならないことは明らかで、理事会で広範囲に議論した、と述べた。
当時ユーロは1.18―1.19ドル台で取引されていた。
¤¤¤⇨ 市場では「もし今回も同様のけん制が行われれば、ユーロは1.20ドル割れとなるだろう。先物でもロングがある程度の規模まで膨らんでいるので、それらが部分的にでも巻き戻されれば、一時的に下値余地は大きくなる」(外国銀)という。
ただ、為替市場では、米国で超低金利政策が長期化するとの見方が根強い中、ドルは金利面での優位性を失っている。このため「ユーロはいったん売られても、また徐々に買い戻される可能性が高い」(同)との見方も出ている。
IMM通貨先物では、12月1日時点のユーロ先物のネットロング<1099741NNET>が13万9894枚と前週の13万8250枚からやや増加した。
<14:07> 豪ドル/円が3カ月ぶりに78円台に乗せる、機関投資家の買い観測も
△△ 豪ドル/円は一時78.09円と、9月2日以来3カ月超ぶりの高値を更新した。
早朝の安値は77.57円だった。
豪ドル高の背景について、市場では「機関投資家の買いが入ったとの観測もある。また、中国株の持ち直しや、最近の鉄鉱石価格の上昇も豪ドルなどの資源国通貨の追い風となっている」(アナリスト)との指摘があった。
午前から正午過ぎまでの取引では、対豪ドルやカナダドルでの円売りが、徐々に対欧州通貨での円売りに波及したが、今夜には欧州中央銀行(ECB)の定例理事会を控えているため、対欧州通貨での円売りは一巡したもようだ。
△△ ユーロ/円は125.90円から126.34円まで上昇したが、前日の高値126.50円には届かなかった。
△△▼⇨ ドル/円は、対資源国通貨や欧州通貨での円売りの影響で、一時104.50円まで上昇したが、現在は104.41円付近での取引となっている。
<12:05> 正午のドルは104円前半、クロス円中心に円売りが広がる
☆☆ 正午のドル/円は、前日NY市場午後5時時点(104.21/24円)に比べ、小幅にドル高/円安の104.41/43円。
ドルは朝方の取引で104.24―104.30円付近で一進一退だったが、午前11時過ぎからじわじわと買い進まれ、前日のNY市場高値104.41円を上抜けた。
¤¤⇨ 背景は、「欧州中央銀行(ECB)理事会を控えて、対ユーロや対豪ドルでポジション調整的な円売りが入ったこと」(アナリスト)があるという。
こうしたクロス円での円安傾向につられ、ドル/円も104.45円まで上値を伸ばした。
また、午前11時過ぎに、中国商務省が豪州から輸入するワインに対する暫定的な補助金相殺措置を11日に発動すると発表したことが伝わった。
しかし、同発表に対する市場の反応は鈍く、豪ドルはむしろ上昇した。
豪ドルや加ドルなど資源国通貨のけん引役は、「このところの鉄鉱石価格の上昇がある」(金融機関)との指摘も聞かれた。
<10:55> オフショア人民元は6.53元付近、元高で中国企業の収益圧迫も
★★ オフショア人民元は1ドル=6.5290元付近。前日に人民元が売られた流れを引き継ぎ、きょうもやや軟調な足取りとなっている。ただ、水準としては2018年6月以来の元高圏での取引となっている。
人民元の対ドル基準値は1ドル=6.5476元。9日の基準値6.5311元に比べ元安方向に設定された。9日の基準値は2年半ぶりの元高だった。
¤¤¤⇨ 市場では「最近の元高が(輸出)企業の収益を圧迫し、設備投資などが鈍る可能性がある」(エコノミスト)と中国経済の先行きを懸念する声が聞かれた。
中国人民銀行(中央銀行)が9日発表したデータによると、人民銀行が積極的な緩和政策を続ける中でも、11月末時点の社会融資総量残高は前年比で伸び率が鈍化した。[nL4N2IP28K]
社会融資総量には銀行貸出し以外の新規株式公開、信託会社の融資、債券発行などが含まれ、いわゆるシャドーバンキングからの企業の借り入れ実体を反映している。
11月末時点の社会融資総量残高は前年同月比13.6%増の283兆2500億元(43兆3700億ドル)。伸び率は10月末の13.7%から鈍化した。
<09:24> ドル104円前半、英EU会談巡り乱高下する英ポンドを静観
⇨⇨ ドルは104.27円付近で小動き。商業決済が集中する五・十日に当たるため、仲値にかけては国内勢の売り買いが交錯するとみられる。
▼▼ 早朝の外為市場では、英ポンドが乱高下した。英国と欧州連合(EU)の通商協議について、双方が依然として「極めて大きな隔たり」があるとの認識で一致したことが伝わり、
英ポンド/ドルは1.3403ドルから1.3325ドルまで急落。現在は1.33ドル後半まで持ち直している。[nL4N2IP4BI]
¤¤¤⇨ 市場では、英ポンドについて「相変わらずの暴れん坊ぶりを発揮している。経過はもういいので、結果だけ教えてほしい」(アナリスト)との声が聞かれた。
英ポンド/円も139.80円付近から138.86円付近まで急落した。現在は139円半ばまで買い戻されている。
⇨⇨ こうした中、ドル/円は104.25―104.30円とわずか5銭の狭いレンジで、乱高下する英ポンドを静観した。
¤¤¤⇨ ドルについては、今夜開催される欧州中央銀行(ECB)の定例理事会でユーロ高けん制がなされるとの思惑から、ドル売り/ユーロ買いがしにくい地合いとなっている。
□■⇨⇨ 一方、株安や米追加経済対策が合意に至らないこと、米国でのコロナ感染拡大に終息の目途が立たないことなどのリスク要因が意識され、為替市場ではリスク回避の円買い地合いも同時に進行している。
こうして足元ではドルと円の強さが綱引きとなり、ドル/円の値幅を限定している。