① ""野村の永井CEOら報酬減額 、情報漏えいで調査結果を発表""
谷口崇子、中道敬-
CEOの月額報酬を3割、野村証社長は2割をそれぞれ3カ月間削減
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漏えいに関与した部署を廃止するなど組織体制の見直しを実施
野村ホールディングスは24日、東京証券取引所の株式市場再編に関する情報漏えい問題を巡り、外部有識者による調査結果を発表した。行動規範の理解を深めるための研修実施やコンプライアンスを促進するための評価制度見直しなどの再発防止策をまとめたほか、経営責任として 👤永井浩二最高経営責任者(CEO)の月額報酬の3割を3カ月間返上するなど経営幹部の役員報酬の減額も決めた。
👤 この程度の経営責任の取り方で本人は済むような問題と考えているのでしょう。結局、月給1か月分にもならない金額です。企業トップの劣化論を裏付ける事例です。
(記者会見で謝罪する野村HDの永井CEOら
発表によると3月5日、東証の市場区分の見直しに関する有識者懇談会の委員を務める野村総合研究所の研究員が野村証券のチーフストラテジストに、上位市場の指定基準や退出基準が時価総額250億円以上とされる可能性が高くなっているとの情報を伝えた。翌日に同ストラテジストが野村証などの日本株営業担当者に伝え、さらに情報を受け取った一部社員は顧客にも伝えていた。
調査報告書によると、コンプライアンスの徹底が不十分であったほか、各行為を適切に規律する詳細な社内規定が必ずしも存在しなかったという。また、今回の問題行動に気づいた社員もいたが、疑問や是正の声は上がらなかったといい、組織全体にコンプライアンスを追求しようという意識がなかったとも指摘した。
来週にも業務改善命令
金融庁は野村HDと野村証に対して市場の信頼を損ねる情報漏えいがあったとして、来週にも金融商品取引法に基づく業務改善命令を出す方針を固めている。関係者が24日、明らかにした。野村証が行政処分を受けるのは、2012年の増資インサイダー問題以来となる。
同関係者によると、情報漏えいはインサイダー取引には当たらないものの、不適切に入手した情報で顧客を囲い込む手法は悪質で、野村の標ぼうする営業改革が進んでいないと判断。市場の信頼性を損ねる行為だと判断したという。
また、野村証を主幹事に上場準備を進めているSansan(東京・渋谷区)の広報担当、小池亮介氏は「現時点で主幹事変更は考えていないが、今回の問題は注視している。現在、弊社の上場業務において問題のある活動があったかどうかを野村側に確認しているところだ」と述べた。
日本郵政株の売却
財務省は、日本郵政株の第3次売却に向けて主幹事選定手続きを進めており、野村証含め国内外11社に対する口頭での審査を実施している。
同省審議会の出した答申によると、口頭審査の一環として適切な法令順守体制の有無などを審査することとなっており、「審査の段階で、公的機関から、引受業務等の制限等主幹事としての事務を行う上で障害となるような処分を現に受けている」場合には対象外になると記載されている。
事業への影響について問われた永井CEOは「現時点では何とも言えない。お客様が判断すること」と述べた。